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習・オバマ会談で注目の「新型の大国関係」
中米は緊張から緊密へと動き出すか

陳言 [在北京ジャーナリスト]
2013年6月12日
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世界が注目した習・オバマ対談が終った。日本では中米関係の対立点がクローズアップされがちだが、中国サイドではどう見ているのか。北京から報告する。(在北京ジャーナリスト 陳言)

中米間の緊張関係は
緩和の方向と報じるマスコミ

 2013年秋に予定されていた中国国家主席とアメリカ大統領の会談は、数ヵ月も早まって、6月7日と8日にアメリカのカルフォニア州で行われた。習近平国家主席とバラク・オバマ大統領は、二日間に8時間以上の会談をして、ノーネクタイで中米の緊密ぶりを演じた。

 「新型の大国関係」という言葉で中米関係を規定することについては、日本のメディアも重視していたが、その言葉を習はアメリカで繰り返し使った。言葉自体は、2012年2月に当時の国家副主席であった習がアメリカで使い出したものだが、その時にはアメリカはそれなりに返答をしただけだった。

 当時のヒラリー・クリントン国務長官は、同じ年に「中国は旧ソ連ではない」「米中間は冷戦すべきではない」と講演の中で「新型の大国関係」を思わせるような言葉使いをした。今度の訪米で、中米の「新型の大国関係」を本格的に打ち出した中国が、今後、世界のその他の国との関係をどう規定していくかは注目に値する。

 中米関係は、2010年以降緊張を続けていた。その年の1月の台湾への武器売却は、2008年10月のブッシュ政権が残した仕事を継続したものとはいえ80億ドルという巨額でもあり、中米関係に非常に大きな悪影響を与えた。続く2月にはオバマ大統領がダライ・ラマと会見したことで、両国関係はさらに悪化。3月にはグーグルが中国から撤退することをほのめかした。こうして中米の政治対立が経済にも波及するようになり、両国の関係は立て続けに起こった対立事件によって緊迫することとなった。

 その緊張は、今回の習の訪米によって、基本的には緩和されたと中国のマスコミは見ている。両国は緊密な関係へと本当に転化できるか、今後ますます注目される。

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陳言 [在北京ジャーナリスト]

1982年南京大学卒。『経済日報』に勤務してから、1989年に東京大学新聞研究所、慶応大学経済学研究科に留学、博士課程終了、萩国際大学教授。2003年に帰国。月刊『経済』主筆。2010年から日本企業(中国)研究院を設立、執行院長。ダイヤモンドオンライン、『週刊東洋経済』『アエラ』『中国経済週刊』『中国経営報』などのメディアに数多くの記事を掲載。2015年日本語日刊紙『速読中国』を創刊して編集長を兼任。


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