決算ランキングの第4回目は、本業で儲けている会社、自己(株主)資本をどれだけ有効に使っているかをランキングしてみた。使った指標は売上高営業利益率とROE=自己資本利益率である。意外にも、中堅の製造業が頑張っている姿が浮かび上がってきた。

トップテンにはネット系企業

 売上高営業利益率(以下、営業利益率)は営業利益を売上高(営業収益)で割ったもの。営業利益は売上高から、原価、販売管理費などのコストをひいたもので、本業で稼ぎだした利益を表している。したがって、営業利益率が高いほど本業で儲けていることになる。

 表1は、前期の実績をベースに、営業利益率の高い順に上場会社を並べている。上位にはクックパッド、グリー、リブセンス、カカクコムなど、前回の3期連続増収増益ランキングと、同じ顔ぶれが並んでいる。いずれも、ネット系やゲームソフトの企業で、時代を反映している。

 例えば製造業であれば、新製品を開発しても、その後、製品を一つひとつ作るたびに、原材料費や労務費(製造原価)がかかる。これに対してネット系企業は、一度ゲームソフトやサービスの仕組みを開発すると、追加の原価がほとんどかからない。このため、高い営業利益率を実現できる。

 クックパッドなどの新興企業に対して、同じIT系でも老舗で健闘しているのが、オービックグループ。15位にオービックビジネスコンサルタント(OBC)、21位に親会社のオービックが入っている。OBCが会計ソフトとして有名な「勘定奉行」に代表される業務用のパッケージソフトを持っていること、中小企業にフォーカスしていることで、高い収益性を実現している。