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組織の不調は社員を枯らす!職場の不快感に効く「メンタル・マネジメント」

跡を濁す鳥と濁さない鳥はどちらが合理的なのか?
退職時に思い知らされる人の本性と将来性の明暗

――処方箋㉓「評判重視社会」では関係性が終わるときこそがチャンス

渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]
【第23回】 2013年6月19日
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嫌な職場を離れるときにどう振る舞うか?
外務省批判を続けた田中眞紀子氏の損得

 プロジェクトが終わったり、職場が変わったりするとき、あなたはどのように振る舞うだろうか。

 特にその職場に不満があったり、自分への処遇に納得できなかったり、プロジェクトのパートナーとうまくいっていない場合、いざ自分が職場を離れたり、パートナーと別れることになったとき、あなたはどのように振る舞うだろうか。

 1つの典型例は、小泉政権時代、外務大臣だった田中眞紀子氏の所作だ。

 彼女は、外務大臣就任以来、一貫して外務省の体質を批判、「外務省は伏魔殿」という言葉で、メディアに持論を主張してきた。このことから、外務省と田中氏との関係はよいものではなかったのは誰しもがわかるだろう。

 色々とメディアをにぎわせた挙句、田中氏は更迭という形で大臣を辞任する。辞任の際には、職員の前で「外務省の今後のご発展をお祈りする」という旨を語っていたが、その後メディアではやはり持論を主張し、外務省への批判を繰り広げていた。

 それだけではなく、自分を更迭した当時の小泉首相や内閣にまで、批判の矛先を向け、それが自民党を辞し、民主党へ入党するきっかけともなった。

 実態は少し違うのかもしれないが、少なくとも外側から観察する限り、このように見えた。

 会社を辞める場合の例はどうだろう。最後だから上司に言いたいことを言う、辞めた後に組織の悪口(批判ではない)を言う、ネットに罵詈雑言を書き込む。こういった振る舞いは、前述の田中氏の行動と基本的に同じものだ。

 このような行動は諺で言えば、「旅の恥はかき捨て」というものだ。旅行先で関わった人には再び会うことは少ない。だから本来ならば、恥ずかしいような好き勝手な振る舞いをしたっていい、という意味だ。

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渡部 幹(わたべ・もとき)
[モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]

UCLA社会学研究科Ph.Dコース修了。北海道大学助手、京都大学助教、早稲田大学准教授を経て、現職。実験ゲームや進化シミュレーションを用いて制度・文化の生成と変容を社会心理学・大脳生理学分野の視点から研究しており、それらの研究を活かして企業組織にも様々な問題提起を行なう。現在はニューロビジネスという大脳生理学と経営学の融合プロジェクトのディレクターを務めている。代表的な著書に『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(共著、講談社刊)。その他『ソフトローの基礎理論』(有斐閣刊)、『入門・政経経済学方法論』、『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』 (共著、講談社)など多数。


組織の不調は社員を枯らす!職場の不快感に効く「メンタル・マネジメント」

職場で「不快感」を訴える社員が急増している。成果主義的な評価制度を導入する企業が増えたことにより、チームワークよりも自分の業績を重視する社員が増え、「ギスギス職場」が生まれているからだ。一方で、年功序列と終身雇用が崩壊しつつある職場では、職場の「世代間ギャップ」もかつてなく広がっている。こうした職場は結束やコミュニケーションを失い、社員の不快感は増していく。職場の不快感を取り除くには、制度的な「仕組み」を導入するだけでは不十分だ。部下1人1の「心」に効く、メンタル・マネジメントの方法論を上司が体系的に理解しておく必要がある。この連載では、日本の職場で起こりがちな「不快感」の臨床例を毎回わかりやすく紹介し、それを解決するメンタル・マネジメントの方法論を、社会心理学的な視点を織り交ぜながら、詳しく解説していく。

「組織の不調は社員を枯らす!職場の不快感に効く「メンタル・マネジメント」」

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