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夏野剛 特別インタビュー
ドコモを去った本当の理由

【第12回】 2008年9月4日
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NTTドコモ退社後も、慶応大学の特別招聘教授や「ニコニコ動画」を運営するドワンゴの常勤顧問など複数の顔を持ち、八面六臂の活躍を続ける夏野剛氏。言わずと知れたiモードの立役者に、ドコモを辞めた理由から今後の抱負まで縦横無尽に語ってもらった。(聞き手/『週刊ダイヤモンド』編集部 清水量介)

夏野剛
夏野剛(なつの たけし)
早稲田大学卒業後、東京ガス入社。ペンシルバニア大学ウォートンスクールにてMBA取得。ハイパーネット副社長を経て、1997年にNTTドコモに入社。2005年、同社執行役員。2008年5月に慶應義塾大学 政策・メディア研究科特別招聘教授に就任。現在、ドワンゴの常勤顧問のほか、セガサミーホールディングス、トランス・コスモス、NTTレゾナント、ぴあなど複数の企業の社外取締役も務めている。

―NTTドコモを辞めたのはなぜですか? 

 好き勝手やらせてもらえて、ドコモには感謝している。ただ、一人の役員としてできることには限界があった。

 米アップルはiPhoneやiPodなど、ヒット商品を連発している。その理由は、トップが「世の中をわくわくさせたい」、「利用者にすばらしいサービスを提供したい」と思っていて、しかもその思いを強いリーダーシップでスピーディーに実現しているからだ。

 一方、日本の通信会社やメーカーはどうだろうか。

 ドコモで嫌というほど経験してきたが、日本は実現できる最新技術の積み上げや、組み合わせで商品やサービスが決まる。「これだけ高性能のCPUがあるから、メモリーの容量がここまで拡大したから」と、どんどん盛り込んでいき、最終製品が出来上がってしまう。これでは世の中を感動させることはできない。

 iPhoneに搭載されている技術はけっして最先端の技術ではない。しかし、iPhoneを 触れば、アップルの「所有者にこんな体験をしてほしい」という意図や思いがひしひしと伝わってくる。日本の通信会社やメーカーの多くにはそういう思いや哲学がない。ドコモという組織では、アップルのような商品は生み出すことができなかった。

―多くの企業から、転職のオファーがあったと思います。ドワンゴの特別顧問に就任した理由は? 

 大きな理由はドワンゴの「ニコニコ動画」が世界に進出できる可能性を秘めているということだ。日本国内で成功している日本のIT、ネット企業はたくさんある。しかし、ほとんどの企業のサービスに海外で成功できる要素があるようには思えない。アメリカの技術、サービスのコピーか、日本オリジナルの場合でも、日本でしか通用しないようなサービスばかりだからだ。 その点、ドワンゴの動画共有サービス、ニコニコ動画は世界でもヒットする可能性を秘めている。 

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