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田中秀征 政権ウォッチ

“原発再稼働ありき”で突き進む安倍政権への警鐘

田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
【第189回】 2013年6月27日
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 日本はこのまま原発再稼働に向けて突進していくのだろうか。原発事故後、未だ2年そこそこしか経たないのに。まるで原発事故などなかったような動きになっている。

 驚いたのは5月15日の参院予算委員会での首相答弁だった。

 「原発再稼働に向けて政府一丸となって対応し、できるだけ早く実現していきたい」

 明確な“再稼働ありき”である。

 安倍晋三首相のこの答弁は、国内ばかりでなく諸外国にも大きな波紋を投げかけただろう。

 おそらく、今回の原発事故が自民党政権下で起きたならこうはならなかった。自民党政権下でも民主党と同じように脱原発の方向に向かっていたはずだからである。

 民主党政権の「2030年代に原発ゼロ」の方向は正しいが、いかにも及び腰でそれが確定的になる前に無意味な解散総選挙に持ち込んでしまった。自民党は政権の座に就くとこれを難なく撤回し、あたかも、「再稼働による経済成長」か、それとも「脱原発による経済停滞」かの二者択一を参院選で国民有権者に迫ろうとしている。

 だが、それで通ると考えているとしたらいかにも読みが甘い。なぜなら「脱原発への国民の決意は決して風化しない」からである。

 脱原発の声が小さくなったり、デモの動員数が減ったりしたからと言って、それが「できるだけ早く」再稼働することを望んでいるわけではなく、決意が揺れていると見るのは間違いだ。

 ここで脱原発への方向を確定しなければいつそれをするのか。今回以上の原発事故を待つことにでもなれば、そのときは取り返しがつかないことになる。

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田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]

1940年長野県生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒業。
83年、衆議院議員初当選。93年6月、新党さきがけ結成、代表代行。
細川政権発足時、首相特別補佐。第一次橋本内閣、経済企画庁長官。
現在、福山大学客員教授、「民権塾」塾長。


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かつて首相特別補佐として細川政権を支えた田中秀征が、期待と不安に溢れた現政権の動向を鋭く斬り込む週刊コラム。刻一刻と動く政局をウォッチしていく。

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