日本の人口は今、何人くらいか、君は知っているかな。2010年の国勢調査を見てみるとだいたい1億2806万人。でも、この人口はこれからどんどん減ってしまうんだって。

国立社会保障・人口問題研究所では、将来の人口について3つの見方で予測を立てている。このうち、「中位推計」――出生や死亡の見込みが中程度と仮定した場合の予測――を見てみると、2030年には1億1522万人、さらに2060年には8674万人となっている。これは、第二次世界大戦直後の人口とほぼ同じ規模だ。

どんどん人口が減り、縮んでいく日本の社会。いったい私たちの行く手には何が待ち受けているんだろう?

――この連載では、高齢になった未来の私たちのため、そしてこれからの時代を担うことになる子どもたちのために、日本の将来をいろいろな角度から考察していきます。子どものいる読者の方もそうでない方も、ぜひ一緒に考えてみてください。

 住民の半数以上がお年寄りと化し、空き家が目立つ「限界集落」や「限界団地」の話はよく耳にするよね。ところが人口減少・高齢化が進む昨今、ついに都市部のマンションにも「限界マンション」が現れはじめた。なぜマンションが限界化するのか?どんなマンションが危ないのか?

 富士通総研経済研究所上席主任研究員 米山秀隆さんたちに話を聞いてみたよ。

20年後には450万戸が
「老朽マンション化」する!

「消費税が上がる前に買わなくては」。そんなお客さんを当て込んで、湧きに湧いているマンション市場。先月、首都圏で発売されたマンション戸数は6年ぶりの高い水準になった。

 だけど、ちょっと待ってほしい。マンションのストック数(これまでに完成しているマンションの戸数)は推計で約590万戸。このうち、築30年以上の老朽マンションは2013年現在、およそ130万戸だ。老朽マンションは今後どんどん増え続け、「2033年には約450万戸に達する」と国土交通省では見ているよ。

「今、地方自治体は空き家の急増に頭を抱えています。住み手が亡くなった後、そのまま放置され、荒れ果てる一戸建てが後を絶たないのです。2008年時点での空き家率はおよそ13%。7軒に1軒が空き家というわけです。

 しかし空室の目立つ老朽マンションは、地方ではなく都市で増え続けている。そもそも、マンションは首都圏などの大都市に集中しているからです」(米山さん)

「水道から赤い水が出る」

 ――バブル期に建てられたマンションの住民から、こんな悲鳴が最近頻繁に上がっている、と話すのは日本システム企画の熊野活行代表だ。