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現地から見た韓国・朴大統領「心信の旅」
中韓関係の安定は対日関係修復の兆しか

陳言 [在北京ジャーナリスト]
2013年7月2日
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6月27日から30日までの朴大統領の訪中に関して、日本では中韓両国の対日政策の強化的な側面が強調されて報道されている。だが、子細に見れば両国は対日関係を改善したいとうシグナルも発している。(在北京ジャーナリスト 陳言)

中国人の親近感は
30年前の北朝鮮から韓国に

 中国で50歳以上の人なら、テレビで聞く韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の中国での発言は、三十年前にラジオ放送やニュース映画から流れる北朝鮮の金日成主席や金正日総書記を連想せざるを得ないだろう。金家親子とも非常に育ちがよく、体がしっかりしている。当時まだ半ば飢えていた中国人には、羨ましく思われていた。

 今の朴大統領は、どちらかと言えば、ほっそりしており、そのスタイルは現在の中国の若者にうらやましがられる。中国人の朝鮮半島に対する親近感は、30年前の北朝鮮から、現在ではすっかり韓国に移り、「鮮血で結ばれた友情」の中朝関係から、今日の「心信」となっている中韓関係が主流となっている。

 日本のメディアは、中国の一般市民のこの心情の変化をどこまで捉えていただろうか。日本の一部のマスコミは、朴大統領が日本を牽制するため、あるいは中韓が結託して日本を排除するような外交をしているかのように報道し、中韓がこれから日本をも巻き込んで、しっかりと東アジアの関係作りをやろうという堅い決意を、どこまで捉えていただろうか。7月1日に日韓の外務大臣が会談をしたが、これから中日間の政府交渉も始めていくという変化を、はたして無視していいのだろうか。

 中国内陸部に行き、街にポツンポツンと出ている韓国メーカーの広告などを見ると、30年前の日本の進出を思い出す。しかし、今や日本の広告はほとんど消えている。携帯電話から自動車まで、韓国メーカーは中国に食い込んでいき、後発なのにここまでできている。中韓の経済関係は緊密になっているが、相互理解のための「心信」という言葉は、韓国から積極的に提起されたもので、現代中国語の中にはない言葉であるにもかかわらず、すっかり中国市民の心に届いている。

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陳言 [在北京ジャーナリスト]

1982年南京大学卒。『経済日報』に勤務してから、1989年に東京大学新聞研究所、慶応大学経済学研究科に留学、博士課程終了、萩国際大学教授。2003年に帰国。月刊『経済』主筆。2010年から日本企業(中国)研究院を設立、執行院長。ダイヤモンドオンライン、『週刊東洋経済』『アエラ』『中国経済週刊』『中国経営報』などのメディアに数多くの記事を掲載。2015年日本語日刊紙『速読中国』を創刊して編集長を兼任。


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