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独で抗てんかん剤を販売中断
エーザイのやむを得ない事情

週刊ダイヤモンド編集部
2013年7月9日
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エーザイにとってファイコンパは、世界で1000億円超の売り上げが見込まれる期待の新薬
Photo by Hiroshi Tanaka

 エーザイは、6月下旬に抗てんかん剤「ファイコンパ」について、ドイツでの販売を一時的に中断すると発表した。

 ファイコンパは、世界で1000億円超の売り上げが見込まれる期待の大型新薬だ。ドイツでは2012年9月に発売、これまで3000人以上に投与されている。現在、欧州7カ国で販売され、米国でも昨年10月に承認されたばかりである。

 実は、今回の販売中断はエーザイ自らの“経営戦略上の判断”によるものだ。

 背景には、ドイツ特有の薬価制度の問題がある。ドイツでは、欧州で承認され、発売された新薬に対し、1年間は製薬会社が希望する自由価格で販売できる。ただし、1年後にはドイツ連邦合同委員会(G-BA)が製薬会社から提出された評価資料などを参考に、新薬としての価値を価格面で優遇するか否か(追加有用性)を評価して正式な薬価が決まる。

 追加有用性が認められれば、高額な薬価となる一方、認められなければ、既存薬とほぼ同等の低い価格になってしまう仕組みなのだ。

 今回、G-BAがファイコンパに下した判断は、追加有用性なし。つまり、価格優遇する価値がないとの決定だ。この決定に対し、エーザイはG-BA側によるデータの評価方法を不服とし、再申請するために販売を中断するものだ。

“難産”続きだった新薬

 総じて新薬の販売中断は、ネガティブなイメージになりがちだ。特に製薬会社の経営戦略による販売中断は「患者の存在を無視している」「もうけ主義」という世論の反発を受けるリスクがある。

 それなのに、なぜ、エーザイは販売を中断するのか。それには、引くに引けない事情がある。

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