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「中国すり寄り」は韓国にとって本当に得なのか?
日本と距離を置きたがる韓流外交の本心を見極めよ

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第283回】 2013年7月9日
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 最近の韓国政府の行動を見ていると、韓国という国は単純でわかり易い国か、それとも複雑でわかりにくい国なのか、判断が難しい。

 単純に考えると、経済状況が悪化している韓国は、アベノミクスで円安・ウォン高傾向をつくり出している日本を目の敵にする一方、中国にすり寄る格好で難局を乗り越えようとしている。それは、短期的には説得力はあるかもしれない。

 しかし、中国経済には一時のような高成長は望めず、“シャドーバンキング”などの問題を抱えていることを考えると、韓国としても中国集中よりもリスクの分散をして、それぞれの国と上手くつき合う方が有利に見える。

 また、北朝鮮との対立関係を考えると、長期的には、米国やわが国との良好な関係を維持することは必要だろう。その程度のことは、誰でも容易にわかる。

 ところが、韓国はわが国に対しては常に歴史問題を持ち出し、竹島の領有権を巡ってわが国との距離を広げている。果たして、それは、韓国にとって賢い選択なのだろうか。そうは考えにくい。

 韓国経済の状況が深刻なため、優先順位として中国に近づかなければならないのか、それとも、国民の目を宿敵である日本=悪者に向けて、経済的・政治的な打開を図ろうとしているのか。

 おそらく、韓国内の政府に対する批判をかわすために、日本=かつての侵略者という図式をつくっておく必要があるのだろう。そうでなければ、韓国とは存外、子どものような単純でわかり易い国なのかもしれない。

お互いにすり寄るのは得か、損か?
深刻な経済問題を抱える中国と韓国

 経済の側面から見ると、中国と韓国は、いずれも無視できない構造的問題を抱えている。それは、国民によって生み出された経済的な富の分配の仕組みが歪んでいることだ。中国は、今まで高成長を達成することで、国民全体に分配するパイが拡大していた。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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