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三谷流構造的やわらか発想法

ノーネットの生活
~プチネット断食のススメ[1]

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
【第65講】 2013年7月25日
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幼児は英単語も日本語も全部、聞き分けている

前回、子どもたちは言語習得にあたって、まず名詞(特に一般名詞)から憶え始めるという話をしました。次に動詞、最後に形容詞に進むわけですが、形容詞は相対的な表現であるがゆえに、その理解・習得がとても難しいことを説明しました。その難しさは大人になっても本質的には変わりがなく、「強い」「高い」などの形容詞的表現はアイマイにすぎるので、なるべく定量化しようと(マイケル・ポーターの『競争の戦略』なども引き合いに出しながら)書きました。

 幼児の言語習得研究は、ほかにもいろいろなことを教えてくれます。たとえば「音素の理解」もその1つです。

 発声された言葉を、ヒトは音素の組合せとして理解します。大きくは母音と子音に分かれ、言語ごとに多くの違いがあります。英語では区別する「l音」と「r音」を日本語では区別しません(*1)。区別しないだけでなく、多くの大人は聞き分けることすらできません。

 でも実は、生後10ヵ月までの赤ちゃんには、その区別ができるのです。race(民族)とlace(編物のレース)を間違いなく、聞き分けます。see(見る)とshe(彼女)、free(自由)とflea(ノミ)も、大丈夫。しかし、そんな貴重な能力も、1歳頃にはなくなってしまいます。そう、ちょうど喋り始める頃には。

*1 日本語では昔、「じ」と「ぢ」の発音を分けていた。今でも、高知の年配者は聞き分け、喋り分けられるという。地面(じめん)は「ぢ」で、事件(じけん)は「じ」である。

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三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]

1964年大阪生まれ、福井育ち。小1のとき読書と読みかじりを人に教える快感に目覚め、駿台予備校では教えることの技術に衝撃を受ける。東京大学 理学部物理学科卒業後19年半、BCG、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。
2006年から教育の世界に転じ、社会人教育と同時に、子どもたち・親たち・教員向けの授業や講演に全国を飛び回る。「決める力」「発想力」と「生きる力」をテーマに毎年8000人以上と接している。現在K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院 主任教授(MBAプログラム)の他に、早稲田大学ビジネススクール、グロービス経営大学院、女子栄養大学で客員教授、放課後NPO アフタースクール及びNPO法人 3keys 理事を務める。永平寺ふるさと大使。
著書多数。『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)は啓文堂書店2012ビジネス書大賞、『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はダイヤモンドHBRベスト経営書2013第1位、ビジネス書大賞2014大賞、『ビジネスモデル全史』(同)はHBRベスト経営書2014第1位となった。
HPは www.mitani3.com

 

 


三谷流構造的やわらか発想法

発想法ってなんのために存在するのでしょう? ヒトと違うアイデアや答えを出すためです。統計的に有意な戦略なんて、定義により無価値ですし、統計的に正しい発想法なんてあるわけがありません。発想に「普遍性」や「高確率」を求めるなんてそもそも矛盾しているのです。発想法も、然り。これまでと違うものを生み出すには、新しい発想法がいま求められているのです。

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