最大の難関は消費税増税
参院選は事前の予想通り、自民党の圧勝だった。安倍首相はアベノミクスを推進するといっているが、最大の難関は、4~6月の経済指標をみて秋に判断するとされている消費税増税である。
ここで、確認しておきたいのは、消費税増税をストップさせるためには、秋の臨時国会に、消費税増税の凍結法案を出さなければいけないということだ。
これは政治的にはなかなか難しい。参議院で国会のねじれはなくなったが、増税ストップ法案を出すことは、昨年の民自公の三党合意を破ることになるからだ。財務省の息のかかった自民党内の税制マフィアも黙っていないだろう。
なにより、大量に当選した参議院議員はタレントを除くと業界団体推薦の族議員が多く、業界にカネをばらまくことが期待されている。となると、増税はバラマキ財源確保のために賛成する。ますます、増税ストップの政治環境は悪くなる。
もちろん経済政策から考えれば、消費税増税はスキップすべきだ。また、筆者としては、消費税増税なしのほうが財政再建できるので、いかに政治的な困難があっても、政局をいとわずに安倍首相が打ち破ってほしいと思っている。そのほうが安倍政権の基盤は盤石になり、さらなる長期政権になると考えている。
ただし、実際にやり遂げるのはかなり難しい。まず、自民党内政局になるかもしれない。参院選の勝利がどのように影響するのか。
まず、今後の政治日程を確認しておこう。
8月初旬 臨時国会召集(参院議長)
8月上旬 概算要求基準の決定(閣議了解)
8月12日 4~6月期のGDP速報値(1次速報)
8月末 概算要求締め切り
9月9日 4~6月期のGDP速報値(2次速報)
9月上旬 G20開催
9月中旬 内閣改造(?)
10月上旬 臨時国会召集(成長戦略)