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あたらしい働き方
【第14回】 2013年9月13日
著者・コラム紹介バックナンバー
本田直之 [レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長兼CEO]

営業も部長も課長もいない
売上目標や個人予算なんてクソ食らえ
【企業インタビュー:チームラボ編】

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チームラボは、デジタルコンテンツの世界で次々と話題作を手がけている企業。前例がないことに次々に挑み、ITの世界で急激に知名度を上げています。個人の売上目標やら個人予算なんてクソ食らえで、楽しい仕事をしようとしているといいます。代表の猪子寿之氏にお話を伺いました。(撮影/石郷友仁)

売り上げ目標も個人の予算もない
そもそも営業もいません

チームラボ代表の猪子寿之氏(左)と筆者

本田 勤務時間はやっぱり自由なんですか?

猪子 意外に思われるかもしれませんが、10時出社というルールがあります。でも、半分くらい守ってない(笑)。いや、厳密に言うと、7割くらい守っていないかも(笑)。働く時間は標準があったほうがいい。基本的には、一緒に働く時間が長ければ長いほどいい、と思っています。だから、会社には来ないといけません。家で仕事するというのは、ありえない。在宅ワークなんて、考えたこともない。もちろんちょっとした文章を書くとかなら家でもやりますが、本業を家でやることはありません。

本田 給料はどうですか?

猪子 給料は普通だと思います。最近のIT企業はすごく高いところもありますから、比較的知名度があるIT企業の中では、低いほうと言ってもいいと思います。

本田 社員は、給料ではない魅力を感じて、チームラボで働いている、ということですね。

猪子 うちはボーナスも全社員一律です。そもそもボーナスに変化をつけるための評価制度がありません。普通の会社では目標があり、それをどれだけ達成したか上司と確認する面談などがあり、査定によって評価が決まり、ボーナスの額や昇給額などが決まっていきますが、ボーナスは、利益から割り当てられる社員数で割るだけ。したがって、赤字になれば全員がボーナスゼロ。大きな利益が出れば、全員が潤うという仕組みです。

本田 では、給料はどうやって決めているんですか?

猪子 経営会議で決めています。各役員が自分に近い人の仕事ぶりを見て、優秀だと判断すれば、給料を上げていきます。

本田 経営会議はどれくらいの頻度で行われるのですか?

猪子 月に一回。昇給は随時です。社内での高い評価を受けて昇給する社員も少なくない。上がることはあっても、下がることは基本的にありません。

本田 こちらの社員の方は給料に関して、あまり関心が高くないそうですが。

猪子 社員同士でも、給料について話すことはまずありませんね。社長自身、報酬とモチベーションにはそれほど因果関係がないことを社員によく話しています。それと有名な実験があるんです。同じことを追求するのに、報酬なしのグループと、報酬ありのグループがあった。最終的にどちらがいい結果を出したのかというと、報酬なしのグループだった。お金を目的に頑張るのではなく、やりたいことを集中してやったらいい結果が出た、という状態を作ることがベストだと思っています。

本田 仕事そのものに意欲を持っている社員が多い、という声が多いのも納得できますね。

猪子 うちは、売り上げ目標もないんです。個人の予算もない。そもそも営業もいません。働く空間や環境で、集団のクリエイティビティや生産性がどう上がるかだけを最重要視しています。コミュニケーション能力もいらない。今の時代って、言葉で説明できて理解できることって、くだらないものだから。iPhoneも他のスマホも、言葉で説明したら変わらないじゃないですか。でも、両者は全然違うものでしょう。

 数字達成のための仕事になってしまうと、無理をしたりズルが起きたりする可能性もあります。社員をどうモチベートするか、必要なスタイルが変わってきているのです。数字を上げればボーナスが上がる、というナビゲートの仕方ではなく、いいものを作って世の中を変えよう、というナビゲートにこそ反応する。そんな時代がもう来ているのではないか、と思うのです。

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本田直之 [レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長兼CEO]

シティバンクなどの外資系企業を経て、バックスグループの経営に参画し、常務取締 役としてJASDAQ上場に導く。 現在は、日米のベンチャー企業への投資事業を行うと同時に、少ない労力で多くの成果をあげるためのレバレッジマネジメントのアドバイスを行う。日本ファイナンシャルアカデミー取締役、コーポレート・アドバイザーズ取締役、米 国Global Vision Technology社取締役、Aloha Table取締役、コポンノープ取締役、エポック取締役などを兼務。東京、ハワイに拠点を構え、年の半分をハワイで生活する デュアルライフをおくっている。著書に、レバレッジシリーズをはじめ、『あたらしい働き方』『Less is More』(ダイヤ モ ン ド 社 )『 ノ マ ド ラ イ フ 』( 朝 日 新 聞 出 版 )『 パ ー ソ ナ ル ・ マ ー ケ テ ィ ン グ 』( デ ィ スカヴァー・トゥエンティワン)などがあり、著書累計250万部を突破し、韓国、台湾、 中国で翻訳版も発売されている。著者のプロデュースも行っており、50万部を突破した『伝え方が 9 割』『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』をはじめ合計150万部を突破しいずれもベストセラーとなっている。講演活動は国内だけでなく、アメリカ、オーストラリア、カナダ、中国、シンガポール、韓国、香港、台湾など海外でも行っており、学生向けには早稲田、慶応、明治、 一橋、筑波、立教、法政、上智など様々な大学で講演を行っている。サンダーバード国際経営大学院経営学修士(MBA)、明治大学商学部産業経営学科卒、(社)日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー、アカデミーデュヴァン講師、明治大学・上智大学 非常勤講師

 


あたらしい働き方

「あたらしい働き方がどんどん出てくる今、なぜまだ昔の基準のまま会社を選ぶのか」著者が、アメリカではパタゴニア、ザッポス、エバーノート、IDEO、スタンフォード大学d.Shcool、日本ではカヤック、スタートトゥデイ、チームラボ、Plan ・do・see、ワークスアプリケーションズ、などの、先進企業を取材し、いままさに世界で生まれつつある「古い価値観や常識に縛られないあたらしい働き方」は何なのかを、伝えていきます

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