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「引きこもり」するオトナたち

地方自治体で初の試みも?
浜松市が一丸で取り組む引きこもり支援の中身

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第166回】

 9月7日、静岡県浜松市の精神保健福祉センターが主催する『ひきこもる人たちの思い~東日本大震災後の取材を通して~』と題した講演会に招かれた。会には約120人が参加し、会場はほぼ満席となった。

 特徴的だったのは、第2部のセッション。いつも東京で「ひきこもり問題フューチャーセッション」をお手伝いしてくれている会社員2人が、ボランティアでファシリテーターとして入り、50人余りの参加者が8つのテーブルに分かれて対話した。

 これまで筆者が行政に招かれて参加した引きこもり問題がテーマの講演会では、一方的に講義するスタイルが多かった。しかし、浜松市は今回、「フューチャーセッション」体験版ともいえる全員参加型の対話の場を取り入れた。行政が主体的にこのようなスタイルの場を設けたのは、初めての試みかもしれない。

 参加した引きこもる当事者からは、「こういう機会を待っていた。次回も参加したい」という声が聞かれるなど、本人たちも応じる動きが生まれている。浜松市のような人口81万人余りの政令指定都市で、こうした取り組みを始めたことは、他の自治体への波及効果も期待できそうだ。

真面目なテーマをくつろぎながら語り合う
「ワールドカフェ」で心を開く当事者たち

 今回、会の全体を運営進行したのは、5年ほど前から市の同センターとともに地域で引きこもる人たちへの訪問や居場所支援を行っている、NPO法人「EーJAN」(遠州精神保健福祉をすすめる市民の会)の精神科ソーシャルワーカーなどのスタッフ。

 第2部の対話の場は、「ワールドカフェ」というスタイルを取り入れ、フューチャーセッションの体験版を行った。これは、5~6人がテーブルを囲んで座り、真面目なテーマに対してコーヒーを飲んでいるようなくつろいだ雰囲気で話したり、途中でテーブルメンバーをシャッフルして、多様な人たちの世界を知るというものだ。

 それぞれのテーブルに模造紙が置かれ、名前かニックネームを述べ、一言ずつの自己紹介を行った。全員の番が1周したら、引き続いて第1部の話を聞いて、どんな感想を持ったか。1人の話が長くならないように、できる限り均等な時間に区切って話し合った。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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