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ディズニー こころをつかむ9つの秘密
【第10回】 2013年9月25日
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渡邊喜一郎

「やられたら倍返し」はいただけない!?
コレクター、ディズニー……「好き」で食って成功するために必要なこと
―――【北原照久氏×渡邊喜一郎氏】(前編)

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「開運!なんでも鑑定団」でおなじみ北原照久氏と、東京ディズニーランド伝説のマーケター渡邊喜一郎氏の「仕事と人生」論。コレクションとディズニー――「好き」を仕事にし続けている熱い二人が語る、仕事や人生を選ぶ際に大切にしたいこととは?なぜ「倍返し」はダメなのか?

東京ディズニーランドを作るときに、「怖い」なんてなかった

北原照久1948年東京生まれ。ブリキのおもちゃコレクターの第一人者として世界的に知られている。
大学時代にスキー留学したヨーロッパで、ものを大切にする人たちの文化に触れ、古い時計や生活骨董、ポスター等の収集を始める。その後、ブリキのおもちゃに出会い、収集を始める、「多くの人にコレクションを見て楽しんでもらいたい」という思いで、1986年4月、横浜山手に「ブリキのおもちゃ博物館」を開館。
平成15年11月より6年間、フロリダディズニーワールドにて「Tin Toy Stories Made in Japan」のイベントを開催。
現在、テレビ東京「開運!なんでも鑑定団」に鑑定士として出演、また、CM、各地での講演会、トークショー等でも活躍中。株式会社トーイズ代表取締役、横浜ブリキのおもちゃ博物館館長。

渡邊喜一郎
1959年、東京生まれ。1981年、大卒/高卒の定期採用2期生として、(株)オリエンタルランド入社、マーケティング部に配属。
「年間入場者1000万人」というミッションのもと、知名度2割の状態から東京ディズニーランドのオープンに向け、知名度向上、集客、ブランディング、プライシングから旅行プランの作成まで幅広く携わる。開業後はリピーター獲得、マスコミ対応などに尽力し、2年目に1000万人を達成した。その後、開発部に異動し、オフィシャルホテル開発、ディズニーリゾート全体の開発などを手がけた。ディズニーでのマーケティング経験を活かし、(株)日産自動車、日本電信電話株式会社、Universal Studios Entertainment、(株)トミー(現・タカラトミー)などを経て(株)アトラス取締役、(株)メディア工房取締役常務執行役員を務める。

北原 この本を読んで、「もう、本当にそのとおりだな」と感動しました。読んですぐに渡邊さんに「すごく良かった!」と電話しましたよね(笑)。

渡邊 ありがとうございます。北原さんからお電話いただいて、私もすごくほっとしました。今思えば、「ゼロから東京ディズニーランドを作って1000万人集客する」というミッションや、北原さんの「コレクターとして生きていく」という目標は、傍から見るとチャレンジングですよね。

北原 そうかもしれませんね。ただ、カネなしコネなしの状態で初めて「ブリキのおもちゃ博物館」を横浜にオープンさせたときも、怖いという気持ちはまったくありませんでした。「結婚していて子どももいる、失敗したら大変だ、やっぱりやめよう」なんて思ったこともない。

渡邊 「怖い」という気持ちは何も生み出しませんよね。私がまさに東京ディズニーランドのマーケターとして、どうやって人を集めよう、リピーターを増やそう、と試行錯誤しているときには「どうせすぐ潰れるでしょう」「3年が関の山」「浦安に人は集まらない」など、たくさんの嫌味を言われました。

北原 ああ、そうだ、そういう雰囲気もありましたよね。今じゃ考えられないですけれど。でも、渡邊さんは学生時代、アメリカのディズニーランドに何度も行っていて、それで「絶対できる」と思っていたんでしょう?

渡邊 はい。信じていましたし、「こんな素晴らしいものが日本にできたら最高じゃないか」というふうに、楽しいことばかり考えていましたね(笑)。

北原 やっぱり、本物・実物を見ているからですよね。そこには、日本の遊園地とは全く違うスケールがあり、クオリティがあり、楽しそうに働くキャストがいて、何よりウォルト・ディズニーの考え方が浸透している。

 つまり、「ディズニーランドなんてもって3年だ、期間限定だ」と言う人たちは、実物を見てないからそう言えたんです。私はコレクターですから、実物を見ていない人に色々と言われるというのはよく分かります(笑)。「これは誰が考えたんだろう、誰が作ったんだろう」という好奇心や集めるときのワクワクは、実物を見ていない人にはわからない。だから、この本に書いてあるディズニーやマーケティングの素晴らしさというのは、コレクターとして非常に胸に沁みました。「そうそう、まだ目の前にないものを人に伝えて、しかも動かすのって大変だよね」、と。

渡邊 そうですね、その素晴らしさを知らない人に何を言われても、全然気にもなりませんでした。それはやっぱり、まだ見ぬ東京ディズニーランドの魅力を信じていたからだと思います。

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渡邊喜一郎

1959年生まれ。1981年、大卒/高卒の定期採用2期生として、オリエンタルランド入社、運営本部マーケティンググループに配属。東京ディズニーランドのオープンに向け、マーケティング全般に携わった。当時はまだ確立していなかった集客、ブランド構築、知名度向上からツアー企画やプライシングなどのしくみづくりまでを行い、2年目に目標の入場者数1000万人を達成した。開業後はリピーター獲得、マスコミ戦略策定など新しい試みの仕掛け人として活躍したのち開発部に異動、オフィシャルホテルオープン、ディズニーリゾート全体の開発を手がけた。 東京ディズニーランドで得たマーケティングの経験を活かし日産自動車、現タカラトミーなどを経て、メディア工房取締役常務執行役員を務める。2012年に新会社の代表取締役に就任、スマートフォン事業、EV事業等を手がけている。


ディズニー こころをつかむ9つの秘密

東京ディズニーランドの開業前からブランディング、集客などからプライシングまで携わり、開業後はリピーター獲得、オフィシャルホテルのマーケティングなどを担った伝説のマーケターが、ディズニーの神髄を初めて語る。この連載では、今まで語られてこなかったマーケティングの秘密を記した書籍の中からトピックをご紹介します。

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