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原英次郎の「強い中堅企業はここが違う!」 トップに聞く逆境の経営道

世界のIT産業を支える“小さな巨人”
日本高純度化学 渡辺社長の経営進化論
(前編)

原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]
【第3回】 2009年5月27日
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日本高純度化学(以下、高純度化学)は、電子機器に使われる貴金属めっき薬品の開発・製造・販売を行っている。特に金めっき用薬品に特化し、そのシェアは高い。本社は東京の都心から離れた練馬区にあり、周囲にはマンションなどが立つ。「住宅街に薬品を扱うめっき屋さんかー」とも思うが、インタビューでそのビジネスモデルを知れば、納得できるはずだ。

加えて、同社は1999年に現経営陣が中心となってMBO(マネジメント・バイアウト)を実施したという社歴を持つ。MBOとは経営陣による自社の買収である。このMBOこそが第2の成長期の契機となった。

2009年3月期は、世界同時不況によるエレクトロニクス業界の生産調整の影響で、売り上げは3割減、営業利益は5割減と厳しい決算になったが、それでも売り上げ81.5億円、営業利益は10.8億円を確保した。もっとも、渡辺社長によれば、同社の売り上げにはあまり大きな意味はないという。

日本高純度化学 渡辺雅夫社長

渡辺社長:わが社は金属めっき用の薬品を作っている会社ですが、例えば、金は1グラムで2500円~3000円します。この金1グラムに対して薬品代は100円ももらえれば、うちとしては嬉しいという感じです。

 お客さんとの関係では、お客さんが金の地金を送ってきて薬品を混ぜて売戻すケースと薬品だけを売るケースがある。金が3000円だとすると、前者では3100円が売り上げに立ちますが、後者では売り上げは100円ということになります。ですから、表面上の売り上げと利益率の関係は、あまり実態を表していない。うちでは売上管理はしていません。薬品出荷量と粗利がリンクしていると考えていただいた方がよい。

 我々はファインケミカルの会社ですが、医薬品やソフトウエア開発の会社に近い。例えば、マイクロソフトはソフトウエアを開発したら、それをディスクに乗っけて売りますね。ディスクの原価なんてたかがしれているが、それを1本何万円で売っている。優秀な人材を集めてソフトウエアを開発すれば、大きな設備投資はいらない。ビジネスモデルが似ているとまでは言わないが、そう考えてもらった方が分かりやすいかもしれません。

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原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]

1956年生まれ、佐賀県出身。慶應義塾大学経済学部卒。
1981年東洋経済新報社に入社。金融、証券、エレクトロニクスなどを担当。
1995年『月刊金融ビジネス』、2003年4月『東洋経済オンライン』、
2004年4月『会社四季報』、2005年4月『週刊東洋経済』の各編集長などを経て、2006年同社を退社。
2010年3月ダイヤモンド・オンライン客員論説委員、2011年10月編集長、2015年1月より現職。
主な著書に『銀行が変わる?!』(こう書房)、『素人のための決算書読解術』(東洋経済新報社)。

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世界同時不況で電機・自動車など日本のビッグビジネスが軒並み崩れる中、しぶとく踏み止まる中堅企業がある。経営学の教科書からは学べない「逆境の経営道」をトップへのロングインタビューで探る。

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