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医療費削減の切り札となるか?
日本初、医療系アプリコンテスト

吉田由紀子
2013年9月25日
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「Applicare2013  医療系アプリ開発コンテスト」で優勝した高血圧疾患を抱える人のための服薬アプリ「flixy」のデモ画面。薬ケースとアプリを連動させて、飲み忘れを防ぐシステム。(写真提供:AppliCare運営局)

 ユーザーはまず、飲むべき薬と服薬時刻をアプリに登録する。時刻になると、スマホにアラートが通知され、同時にスマホと連動した薬ケースが光って知らせる。

 また、この薬ケースは、服薬の有無を自動的に記録することができ、服薬率が下がった患者には、ビジュアルに訴えるなど適切な服薬指導策を打つことができる。さらに、投薬ログは患者の家族にも通知され、メッセージのやり取りでコミュニケーションを取ることもできる。こんなフローだ。

 考案した学生チームによると、薬剤を規定通りに飲まない“服薬コンプライアンス不良”を起こしている患者は、全患者の73%にものぼり、医療現場で大きな問題になっているという。

 「服薬コンプライアンス不良によって、医療費が年に6400億円も増加していると言われています。薬を飲み忘れる原因の52%は、“うっかり”。適切に服薬できる仕組みが必要とされているのです」(AppliCare運営局)

 企業が主導する従来型のシステム開発ではなく、このコンテストのように医療従事者や患者が現場の切実なニーズを汲み取って開発していく、いわゆる“マーケットイン型”のアプリ開発が、いま医療現場で増えつつある。

 その根幹にあるのは、増大する一方の医療費だ。日本の医療費は、37兆8000億円(2011年度)。10年後には55兆円にまで膨れ上がるという試算もある。

 一方で医療界は、ITを駆使したシステム導入に対して、やや閉鎖的な側面を持っているのが実情だ。2009年に電子レセプト義務化が制定されたのを機に、現場の電子化が進んでいるものの、欧米に比べると、まだまだ遅れている。

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