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いずれ個人の健康データが商売の舞台となる
スマホ同期で大人気の健康モニター・ガジェット

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第216回】 2012年10月17日
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健康ガジェット先駆けのナイキに
挑戦するスタートアップ2社

 最近、アメリカのテック・ユーザーの間で流行っているのは、「健康をモニターするガジェット」である。

 健康の中味にはいろいろあるが、主なところは歩数計、消費したカロリー、睡眠の質などである。場合によっては、昇った階段の数、食事のカロリー、どれだけ身体を動かしていないか、また、それらに関する友達との比較データなども含まれる。

 こうしたことを計測して記録し、しかも小型で腕輪のようにはめたり、胸のポケットにクリップしたりするのが、健康モニター・ガジェットである。しかも、優れているのは、そのガジェットがスマートフォンと同期して、自分の健康の状態をきれいなグラフにして見せてくれることである。

 この手のガジェットの代表的なものは、ナイキのフューエルバンドだろう。ただ、これはデザインもシャープでカッコいいが、計測できるのは動きだけ。走る、歩く、ダンスするなどのステップを計測して、消費カロリーを計算する。本日の目標にどれだけ近づけたかも教えてくれるが、できることはけっこう単純だ。

 一方、その大手ナイキに挑戦して、もっと難しいことをやろうとしているのが、スタートアップ企業である。この分野ではジョーボーン社とフィットビット社が知られている。

腕輪型やクリップ型で小さいが
記録とモニターなど機能は多用

 ジョーボーン社は、これまでiPhone用のワイヤレス・スピーカーや携帯電話用のマイク付きワイアレス・イヤフォンなどを開発して、人気を博してきた会社である。「UP」は、同社が健康分野に進出した最初の製品だ。

 腕輪型でスマートだが、UPの機能は多様だ。まず、歩数計は、その日何時にどのくらい歩いたかまで、後でグラフにして見せてくれる。あらかじめプログラムしておくと、コンピュータやテレビの前に座りっぱなしでずっと動かなかったりすると、腕輪が振動して注意を促してくれる。

 夜になって寝ると、今度は眠りの深さをからだの動きで計測する。翌朝スマートフォンでは、何時間どんな質の睡眠が取れたかが見られるようになるのだ。また、目覚まし時計代わりに使うことも可能で、やはり振動で静かに起床時間を知らせてくれる。びっくりするような音で、隣に寝ている人まで起こしてしまう心配がないわけだ。しかも、驚いたことに、眠りの状態をモニターしながらもっともいいタイミングで起こしてくれるのである。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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