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安東泰志の真・金融立国論

体験的検証!ドラマ「半沢直樹」の虚実 
99%の「羊行員」がカルチャー変革を止める

安東泰志 [ニューホライズン キャピタル 取締役会長兼社長]
【第37回】 2013年9月23日
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テレビドラマ「半沢直樹」が大ヒットして終了した。筆者も「半沢直樹」の原作者と同じ銀行の出身だ。私は基本的には、銀行員とは自らを磨き社会に役立つ職業だと思う。だが、残念ながらドラマで描かれているような世界は、少なからず実在する。そして、日本が金融立国として再生するには、こうした「内部の論理」優先のカルチャーを変革、克服していかなくてはならないと強く感じている。

 テレビドラマ「半沢直樹」の大ヒットは、当初、銀行出身の筆者でさえ意外であった。しかし、よく考えてみれば、銀行員というものは世間一般にはエリートとされ、信頼できる人種の象徴のように思われていたところに、突如、不正の横行やドロドロした行内抗争が暴かれたドラマが出現したのだから話題を呼ぶのも無理はない。今回は、「半沢直樹」で描かれているような銀行員の「生態」が実際にはどうなのか、筆者なりに検証してみたい。ただし、検証の対象は大手銀行、いわゆるメガバンクについてである。

 筆者は長年銀行(旧三菱銀行、現三菱東京UFJ銀行)に勤務し、その間に数えきれないほどの有能かつ尊敬すべき上司・同僚に恵まれてきた。そのことについては、感謝してもしきれないほどである。今回は、ドラマに即して話を展開するために銀行の陰の部分も少々描かざるを得ないかもしれないが、銀行員は、本来は自らを磨きつつ社会の役に立つことができる素晴らしい職業だというのが、筆者の基本的な立場である。その上で結論から言えば、残念ながら「ドラマで描かれているような世界は、少なからず実在する」ということになってしまう。そして、それを改めていかない限り、金融立国はおぼつかない。

支店における不正はあるか

 銀行員と呼ばれる人間の多くは、支店に所属している。支店は、言うまでもなく、顧客対応の最前線である。業務は大きく分けて、預金や送金を扱う窓口業務、個人や個人事業主向けの渉外業務、そして企業向けの貸付を担当する貸付業務に分かれる。

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安東泰志 [ニューホライズン キャピタル 取締役会長兼社長]

東京大学経済学部卒業、シカゴ大学経営大学院(MBA)修了。1981年に三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行、1988年より、東京三菱銀行ロンドン支店にて、非日系企業ファイナンス担当ヘッド。90年代に英国ならびに欧州大陸の多数の私的整理・企業再生案件について、参加各行を代表するコーディネーターとして手がけ、英国中央銀行による「ロンドンアプローチ・ワーキンググループ」に邦銀唯一のメンバーとして招聘される。帰国後、企画部・投資銀行企画部等を経て、2002年フェニックス・キャピタル(現・ニューホライズンキャピタル)を創業し、代表取締役CEOに就任。創業以来、主として国内機関投資家の出資による8本の企業再生ファンド(総額約2500億円)を組成、市田・近商ストア・東急建設・世紀東急工業・三菱自動車工業・ゴールドパック・ティアック・ソキア・日立ハウステック・まぐまぐなど、約90社の再生と成長を手掛ける。事業再生実務家協会理事。著書に『V字回復を実現するハゲタカファンドの事業再生』(幻冬舎メディアコンサルティング 2014年)。
 


安東泰志の真・金融立国論

相次ぐ破綻企業への公的資金の投入、金融緩和や為替介入を巡る日銀・財務省の迷走、そして中身の薄い新金融立国論・・・。銀行や年金などに滞留するお金が“リスクマネー”として企業に行き渡らないという日本の問題の根幹から目をそむけた、現状維持路線はもはや破綻をきたしている。日本の成長のために必要な“真”の金融立国論を、第一線で活躍する投資ファンドの代表者が具体的な事例をもとに語る。

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