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知らないと損する!医療費の裏ワザと落とし穴

迷走する産科医療補償制度
集め過ぎた保険料は誰のものか?

早川幸子 [フリーライター]
【第58回】

 「保険会社を儲けさせるために、この制度を運用しているのか」

 7月25日に行われた厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会で、莫大な剰余金を抱える産科医療補償制度について、出席した委員が次々と激しい批判を口にした。

 産科医療補償制度は、分娩中の事故などで子どもが脳性麻痺などの障害をおった場合に速やかに補償することで、産科クリニックや助産院などの負担を軽減することを目的としたものだ。

 だが、民間の損保会社が管理する剰余金や保険料の運用益など、不透明なお金の流れに各方面から疑問の声が上がっており、今年5月には産科医や妊産婦が国民生活センターに掛け金返還を求める和解の仲介申請を行うまでに至っている。

 産科医療補償制度は、どのようなお金の流れになっているのだろうか。

医療事故訴訟の頻発が
産科医不足に拍車をかけた

 産科医療補償制度設立のきっかけとなった象徴的な出来事が、「福島県立大野病院産科医逮捕事件」だ。

 2004年12月、福島県・大熊町にあった福島県立大野病院で出産した女性が帝王切開の手術中に死亡し、執刀した産婦人科の医師が業務上過失致死・医師法違反の容疑で2006年2月に逮捕された。

 この事件は、2008年8月に福島地方裁判所で行われた一審で、執刀医に無罪が言い渡され、検察も控訴を断念し地裁判決が確定した。

 しかし、人の命を救うために行った行為によって医師が逮捕された事実は、医療界に大きな波紋を投げかけ、産婦人科医不足に拍車をかけることになった。

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早川幸子(はやかわ・ゆきこ) [フリーライター]

1968年、千葉県生まれ。明治大学文学部卒業。編集プロダクション勤務後、99年に独立し、以後フリーランスのライターとして女性週刊誌やマネー誌に、医療、民間保険、社会保障、節約などの記事を寄稿。現在、ダイヤモンドオンライン「知らないと損する! 医療費の裏ワザと落とし穴」、医薬経済社「ウラから見た医療経済」などのウェブサイトに連載中。13年4月から朝日新聞土曜版be on Saturday(青be)の「お金のミカタ」を執筆。「日本の医療を守る市民の会」発起人。


知らないと損する!医療費の裏ワザと落とし穴

国民の健康を支えている公的医療保険(健康保険)。ふだんはそのありがたみを感じることは少ないが、病気やケガをしたとき、健康保険の保障内容を知らないと損することが多い。民間の医療保険に入る前に知っておきたい健康保険の優れた保障内容を紹介する。

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