【南アフリカ】 <br />大陸の果ての<br />とびきりおいしいワイン・ランドステレンボッシュ郊外のワイン畑、まるでヨーロッパの田舎町を思わせるような風景
Photo:ANAPA PACIFIC

穏やかな気候がはぐぐむ
極上のワイン造り

 ケープタウンから、車を東へと走らせる。ハイウエイの両脇には、最初は真っ平らな大地が続く。道は徐々に勾配を増し、彼方に見えていた山が近づいてくると、周囲には緑の木々が増えてくる。緑の大地にブドウ畑が見られるようになったら、それがワイン・ランド到着の合図。

 ケープ・タウンの東約50kmにある一帯は、南アフリカを代表するワインの一大生産地。周囲を囲む1000~1500m級の山々が大西洋からの風を遮るこの土地は、ヨーロッパのワイン産地である地中海周辺とよく似た気候で、良質なブドウの栽培に最適だ。

 南アフリカにおけるワイン造りの歴史は、ケープタウンが東方貿易で栄えた約350年前、ヨーロッパから持ち込まれたブドウの苗木からはじまった。