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東洋医学に学ぶ 旬な食生活

それぞれの味に備わった
作用を生かして食養生を

植木もも子 [料理研究家・管理栄養士・国際薬膳師]
【第7回】 2013年10月10日
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 薬膳を作る上で大事なのが「五味」。酸・苦・甘・辛・塩辛(鹹)の5種類の味です。これに現代では淡味が加えられ、実際には六つの味とされます。それぞれの味には独自の働きがあります。

酸味 集めて押さえ、固まらせる作用、潤いを引き出す作用。例えば夏、酸味のものを取ると、その固渋作用が汗の出を抑えます。

苦味 体の中の不要な水分を取り除き、湿、水分、熱などを主に便から出す作用。苦味のものを食べ過ぎると、便通がよくなり過ぎることも。

甘味 痛みを和らげ、毒を中和し、脾胃(消化器)の働きを助ける働き、そして全体の味をまとめる働き。

辛味 気と血の巡りをよくして、発散する(発汗)作用。体の余分な水分を汗として体外に排出します。タイ、インドなど湿度が高く暑い地域で辛味が好まれるのは、この作用が健康維持に不可欠だからです。

塩辛味 体の中のしこりなどを軟らかくし、散らす作用、便を軟らかくして排出する作用。塩辛味のものを食べ過ぎると下痢をすることがあるので注意が必要。

淡味 体に潤いを生じさせ、脾の働きをよくします。

 言い換えると、次の効能を持っています。酸味は多汗、下痢、頻尿の改善。苦味は発熱、便秘、胃のもたれを改善して食欲増進。甘味は疲れ、虚弱を改善して痛みを和らげる。辛味は冷えや気の滞りを改善して痛みを止める。塩辛味は便秘の改善、利尿、塊を軟らかくする。淡味は利尿作用によるむくみの改善、下痢の改善など。

 代表的な食材を挙げると、酸味は梅、レモン、ザクロ、アンズなど。苦味はニガウリ、アロエ、コーヒーなど。甘味はハチミツ、(穀類から作った)水あめ、米、芋など。辛味は唐辛子、ショウガ、ネギ、ニンニクなど。塩辛味は昆布、ワカメ、塩、ナマコなど。淡味はハトムギ、トウガンなど。

 薬膳では季節や環境、体質によって味の組み合わせを変化させ、足りない部分を補い、体のバランスを取るようにします。

●お料理ヒント
冬に向かい腎の働きを補うレシピ。鶏もも肉は脂身と皮を除き酒と塩少々を振って5分置きます。鍋に渋皮をむいた栗、食べやすい大きさに切った白菜の芯、鶏肉を入れ、酒を振り、鶏ガラスープをひたひたに注いで火にかけます。沸騰したら弱火にし、栗が軟らかくなるまで煮て塩少々で味付けます。
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植木もも子 [料理研究家・管理栄養士・国際薬膳師]

健やか料理研究家、管理栄養士、国際中医師・国際中医薬膳管理師。
遼寧中医薬大学付属日本中医薬学院の薬膳講師を務める。原宿にて薬膳と栄養学双方を取りいれた美味しい季節の料理教室と初心者のための男性料理教室を主宰。企業、レストランなどの健康メニューの提案、開発等を手掛ける。NHKテレビテキスト『きれいの魔法』にて、「きれいになる薬膳レシピ」好評連載中。近著『夜九時ご飯』(新星出版社)『欝に効く、食べ物、食べ方。作りかた』共著(保健同人社)『毎日作らないおかずの手帳』日東書院など
「毎日の食事が人生を作る」「美味しく!楽しく!健康に!」をモットーに活動中
HP  http://www.peachtreekitchen.jp


東洋医学に学ぶ 旬な食生活

食養生は中国の古くから伝承されている、健康を維持するための知恵です。中国の伝統医学は4000年もの歴史を持つともいわれています。その基本となる考えは陰陽学と五行説の考え方です。特に「陰陽」はすべての基本となります。この連載では養生法、特に季節に合った食養生のお話をしていきます。

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