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どう中国と付き合うか 反日暴動から1年、平和友好条約締結から35年

「反日」が孕む政権批判に脅える中国指導部
対日強硬策を理解する上で重要な2つの要素
――小原凡司・東京財団研究員兼政策プロデューサー

小原凡司[東京財団研究員兼政策プロデューサー】
【第6回】 2013年10月16日
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大規模デモは起こらずも
反日感情に変化なし

おはら・ぼんじ
1985年3月防衛大学校卒(29期)。98年3月筑波大学大学院修士課程修了、修士論文「中国の独立自主外交」。98年8月海上自衛隊第101飛行隊長(回転翼)2001年9月防衛研究所一般課程(49期)。03年3月~06年4月駐中国防衛駐在(海軍武官)。06年8月防衛省海上幕僚監部情報班長。08年8月海上自衛隊第21航空隊副長~司令(回転翼)。10年2月防衛研究所研究部。11年3月IHS Jane’s入社。アナリスト兼ビジネス・デベロップメント・マネージャー。13年1月現職。

 2013年9月11日、当時の野田政権が尖閣諸島の購入を決定してから1年、中国国内で暴動は起きなかった。しかし、だからと言って、中国国民の反日感情が収まった訳ではない。

 実際、9月18日、中国当局は日本大使館周辺に警察官約200人を配置したという。9月18日は、日本が満州事変(柳条湖事件)を起こした日で、中国では「国恥日」とされる。中国当局は、反日デモの発生を警戒していたのだ。

 これに先立つ9月5日、サンクトペテルブルグで開催されたG20において、安倍晋三首相と習近平主席が立ち話をし、握手をした。一見すると、これは中国側が態度を軟化させる兆しであったように思えるが、そのような訳でもない。

 筆者の周囲には、握手を中国側の態度軟化と捉え、一方で現在も尖閣諸島周辺で中国公船が活発に活動していることから、「中国側の矛盾ではないか」と疑問に思う人もいるが、握手しようがデモや暴動を控えようが、そもそも中国の考え方に変化はない。

 尖閣諸島周辺での中国公船の活動は続いている。9月10日、尖閣諸島の領海内に、公船としては過去最多に並ぶ8隻の中国海警が侵入し、その様子は中国国内で大々的に報道された。9月14日にも4隻の中国海警が領海に侵入した。

 昨年9月の日本政府による尖閣国有化後、中国公船による領海侵入は64日に上る。接続水域への侵入となると優に200日を超えるだろう。

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どう中国と付き合うか 反日暴動から1年、平和友好条約締結から35年

昨年来、日中関係はかつてないほど悪化している。どう中国と付き合うか。これは私たち日本人にとって、非常に重要な政治的、経済的課題だ。世界第2位の経済大国となり、地政学的にも隣国である中国と、付き合わないということは不可能だし、その選択は現実的ではない。しかし、今の両国関係を冷静に見れば見るほど、関係を改善する事は困難に思えてしまう。いかに友好的な関係を築き、両国の国益を最大化していくか。その答えを探るために、ダイヤモンド・オンラインでは、昨年の中国交正常化40年に続き、反日暴動から1年、日中平和友好条約締結35年の今、日中の歴史、外交、防衛などの専門家にインタビューと寄稿をお願いした。

「どう中国と付き合うか 反日暴動から1年、平和友好条約締結から35年」

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