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三谷流構造的やわらか発想法

雲って何だろう
~身近な「なぜ」を探究する[1]

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
【第71講】 2013年10月17日
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なぜ「天高く馬肥ゆる秋」なのか?

 教科書で出合うこの「天高く馬肥ゆる秋」という諺(故事成語)、その「意味」や「理由」を説明できますか?

 元は中国初唐の詩人、杜審言(としんげん、645年~708年)の詩『蘇味道(そみどう)に贈る』から来ています。杜審言はかの杜甫(とほ)(*1)の祖父にあたります。近体詩の基礎を作った人物です。そこで彼は「雲浄(きよ)くして妖星(ようせい)落ち、秋高くして塞馬(さいば)肥(こ)ゆ」と書きました。見慣れぬ怪しげな言葉が入っています。

 ●妖星:彗星もしくは大きな流星。凶兆とされていた
 ●賽馬:北方の馬

 秋に雲が少なく、空が澄み切って高く見えるのは良いとして、それがなぜ凶兆であり、そして特に北方の馬が大きく育つと言うのでしょう?

 これは実は「匈奴(きょうど)の侵略に備えよ」という警句だったのです。中国において北方の騎馬民族は常に頭痛の種でした。それが収穫の秋になると、大挙して略奪にやってくることを、前漢の趙充国(ちょうじゅうこく、BC137年~BC52年)は見抜き、「馬が肥ゆる秋には必ず事変が起きる、今年もその季節がやってきた」と北方を警戒していました。杜審言はそれを詩としたのです。

 なんとこの秋の時候の挨拶「天高く馬肥ゆる秋」が、もともとはそんな軍事的緊張感バリバリの文句だったとは……。

*1 律詩の表現を大成させた。中国文学史上最高の詩人「詩聖」と称される。「国破れて山河在り」の「春望」など。

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三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]

1964年大阪生まれ、福井育ち。小1のとき読書と読みかじりを人に教える快感に目覚め、駿台予備校では教えることの技術に衝撃を受ける。東京大学 理学部物理学科卒業後19年半、BCG、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。
2006年から教育の世界に転じ、社会人教育と同時に、子どもたち・親たち・教員向けの授業や講演に全国を飛び回る。「決める力」「発想力」と「生きる力」をテーマに毎年8000人以上と接している。現在K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院 主任教授(MBAプログラム)の他に、早稲田大学ビジネススクール、グロービス経営大学院、女子栄養大学で客員教授、放課後NPO アフタースクール及びNPO法人 3keys 理事を務める。永平寺ふるさと大使。
著書多数。『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)は啓文堂書店2012ビジネス書大賞、『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はダイヤモンドHBRベスト経営書2013第1位、ビジネス書大賞2014大賞、『ビジネスモデル全史』(同)はHBRベスト経営書2014第1位となった。
HPは www.mitani3.com

 

 


三谷流構造的やわらか発想法

発想法ってなんのために存在するのでしょう? ヒトと違うアイデアや答えを出すためです。統計的に有意な戦略なんて、定義により無価値ですし、統計的に正しい発想法なんてあるわけがありません。発想に「普遍性」や「高確率」を求めるなんてそもそも矛盾しているのです。発想法も、然り。これまでと違うものを生み出すには、新しい発想法がいま求められているのです。

「三谷流構造的やわらか発想法」

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