数百万の点と点をどうつなぐのか?
オープン・イノベーションは答えではない

 日本の産業力を支えているのは中小企業だとよく言われます。日本の雇用の7割 (2800万人分)は、430万社の中小企業によって生み出され、その質の高さこそがわれわれの産業力そのものだと言っても、過言ではないでしょう。

 でも1社当たり7人弱でやれることは限られます。必定、その力は「本業」である商品・サービス力向上に注がれ、「営業・マーケティング」面には回ってきません。いや、回したところで、出来ることは本当に限られています。

 一方、その中小企業に仕事を頼みたい発注側にしても同じこと。430万社の中から、自分の求める技術を見つけ出し、適切なパートナーを選び出すことは至難の業です。

 ネット時代だから、発注情報をオープンにして開発パートナーを公募すればいい? 確かにそういったオープン・イノベーションを推進している大企業が出始めてきました。P&G、IBM、Intel、DuPont、Merck、味の素といった先進企業のみならず、中小企業でも。

 しかしそこには大きな壁があります。それが「信用」と「機密性」です。

 その案件は、本当にオープンにして大丈夫なのでしょうか? 応募してきた中小企業の技術はともかく、会社として信用できるのでしょうか?
 

セミ・クローズドに
点と点をつなぐ仕組み

 発注側として、その案件をクローズドにしたいと思えば、人づてか自力でネット検索、もしくは展示会などに足を運ぶしかありません。でもそれではとても、すべての候補企業にリーチする(網羅性)ことはできませんし、スピードや選定コストにも難があります。

 これらはいわゆる「ビジネスマッチング」の問題で、それだけならすでに多くの「ネット的解決策」が成立もしています。ただ、商品開発に関わるテーマであり、かつ、膨大な中小企業を供給側とするがゆえに、難しいのです。

 果たして、中小企業サプライヤー&パートナー選択において、「網羅性」「スピード」「信用評価」「低選定コスト」は両立するのでしょうか?