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ブラック企業の「経済合理性」を検討する

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第303回】 2013年11月6日
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若者の2割以上がブラック企業勤め?
どの企業・職場がそうかは判断が微妙

 連合総研が行ったアンケートによると、民間企業で働く20代の社員の23.5%、30代の20.8%が、自分の勤め先を違法な働かせ方で若者を使い捨てにする「ブラック企業」だと感じているのだという。

 何が問題なのか。厚労省が9月に行ったブラック企業に関する無料電話相談では、賃金の支払われないサービス残業(53%)、長時間あるいは過重な労働(40%)、パワー・ハラスメント(16%)などの訴えが多かったという。

 ただし、どの企業・職場が真に「ブラック」なのかは、判断が微妙な場合があろう。

 たとえば、筆者は直接職場を知らないが、ユニクロを展開するするファースト・リテイリング社はブラック企業なのだろうか。同社は、新卒採用者の3年内離職率が5割を超えると報じられたことがある。他方、同社に適応して、年齢の割に、高収入な店長がいたり、海外の店舗で責任ある仕事を任されている社員もいたりするようだ。

 直感的には、筆者にはファースト・リテイリング社が「ブラック」であるようには思えない。(1)好業績を上げた場合に仕事と収入と両方で報われるチャンスがあり、(2)社員のスキルを高めるよう教育しようとする姿勢があるからだ。同社に勤めて、自分の人材価値を上げることができる社員もいるのだろうし、彼らにとってはユニクロの職場はブラックではない。

 ただし、3年内に5割の離職率という数字は、採用か、教育か、使い方か、いずれかが最適ではないような気がする。

 ユニクロに限らないが、「この職場は合わないかもしれない」と思った若手社員は、頑張って「慣れる」ことにするのか、別の職場に「逃げる」ことにするのか、早く方針を決めるべきだろう。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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