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「引きこもり」するオトナたち

動物の命だけでなく従業員すら粗末に!
あるペット関連企業の黒すぎる雇用の実態

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第170回】

 これまで当連載でも、読者から寄せられた“ブラック企業”の実態や体験談をたびたびレポートしてきたが、そのたびに大きな反響をいただいた。

 10月8日には、長時間労働を強いたり、残業代を支払わなかったりする企業についての相談に弁護士が無料で応じる「ブラック企業被害全国一斉ホットライン」が、全国26ヵ所で一斉に行われるなど、いまや“ブラック企業”という言葉をニュースで見ない日はないくらいだ。

 真面目な人ほど、こうしたブラックな会社で心身をすり減らしていく。そして、いったん会社を離脱すると、様々な理由で社会に戻れなくなり、いつのまにか地域に埋もれて引きこもっていくことも少なくない。

 今回は、これらの数多くの反響の中から、言われているような「虐げられる動物の命」の問題だけではなく、従業員すら粗末に扱う、あるペット関連企業の「黒すぎる雇用の実態」を報告したい。

中高年でも5、6人で雑魚寝生活
社員もバイトも同じ“社長のコマ”

 長引く不況によって消費が低迷する中にあっても、1兆4000億円といわれるペット関連の総市場規模は、室内飼育を中心にした需要の多さに支えられているという。

 そんなペット産業の最前線を行くような犬や猫を販売する企業に勤務していた40歳代のAさんは、役員から突然「もういらなくなった」と通告された。

 将来に対する不安はあった。しかし、結局、都合による「自主退職」という形にさせられて退職した。いまは、「何とか食いつなぐ」生活を送っているという。

 その職場では、新店舗を開設するにあたり、夜中まで勤務しても、残業代は一切つかない状態だった。しかも、最近まで「各自治体の最低賃金すら守られていない状況」だったという。

 とくに地方の店舗に赴任して、泊まり勤務をする場合、1つの部屋に5、6人が雑魚寝するような生活が、2週間以上も続いた。

 元々、超就職氷河期以降に学生時代を過ごしてきたような、お金がないことに慣れている若い世代の中には、そんな劣悪な環境でも、みんなで酒を飲んだりして楽しく過ごしていた人たちもいたようだ。

 しかし、中高年のAさんは、若い彼らを尻目に早寝、早起きの毎日。「仕事を残したくない」「仕事を早く終わらせたい」という一心で、日々懸命に働いていた。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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