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China Report 中国は今

「安倍政権は邪魔でならない目の上のコブ」
現地に身を置いて感じる中国の地団太

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第138回】 2013年11月8日
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 10月29日の上海では、上空を軍用機が何度も頭の上を飛んでいた。轟音はけたたましく、電話の声も掻き消されるほどだった。筆者の拠点は軍用飛行場がある大場工場への飛行ルートなのか、「中国が怒っているとき」は必ずといっていいほど、上空は轟音で荒れ模様となる。

 このところ、CCTV(中国中央テレビ)は、日本への批判のトーンを強めている。しばらく姿を見なかった軍事評論家を招いて、安倍政権を「中国の脅威を煽っている」「歴史を認識しない」「民族主義だ」「日本のメディアは煽っている」などと激しくなじる。昨年9月の反日デモ当時に再び戻ってしまったかのような雰囲気だ。

 中国が再び騒ぎ始めている理由はいくつかある。無人機と米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(以下、WSJ)、そして安倍外交だ。

 9月の中国軍の無人機による沖縄・尖閣諸島沖周辺の飛行を受け、日本政府は、無人機が領空侵犯した場合の新たな対処方針を取りまとめた。10月20日、日本のメディアは「警告にも従わず、領空に入り、国民に危険が及ぶ事態や、正当防衛、緊急避難であると判断された場合は撃墜する」という政府方針を、安倍首相が承認したと報じている。

 こうした報道に対して、安倍政権への挑発か、中国では「撃ち落とせるなら撃ち落としてみろ」との勢いが高まり、新聞には「無人機を撃墜すれば反撃に出る」(10月27日・東方早報)と見出しが打たれ、テレビ特番では「戦争のシグナルを日本が出した」「中国には決心もあり、能力もある」と煽り立てるような発言が続いた。

WSJの安倍首相
インタビューに中国ムカッ!

 さらに火に油を注いだのが、安倍首相がWSJの単独インタビューを受けての、いくつかの発言だった。安倍首相は10月25日に取材を受け、WSJ が翌26日に電子版記事として配信した。日本語版の記事は、安倍首相の発言を次のように表現している。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


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90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

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