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“土建国家復活”の傍らで
問われる建設業界の構造改革

週刊ダイヤモンド編集部
2013年12月4日
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東日本大震災の復興需要に加えて、東京五輪関連工事やリニア新幹線建設など、建設投資増加期待に沸くゼネコン業界。しかし、職人不足によるコスト増も深刻で、構造改革が必要だ。

 1300億円で試算していた建設予定費が3000億円と、一気に倍以上に膨らみ、関係者を騒然とさせた新国立競技場。2020年に開催される東京五輪のメイン会場だ。

当初1300億円の建設予定費が、あっさりと1.4倍に膨らむことになった新国立競技場。
提供:日本スポーツ振興センター
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 15年に着工予定で、19年の開場を目指す。世界中からデザイン案を募集し、英国の建築デザイナー、ザハ・ハディド氏がグランプリを勝ち取った。延べ床面積で見ると現在の国立競技場のおよそ6倍。ロンドン五輪やアテネ五輪などのメイン会場と比較しても2~3倍という巨大施設だ。

 結局、デザインの簡素化や面積削減などによって工事費は約1800億円に落ち着く見通しだが、それでも当初予定額の約1.4倍。こんな大盤振る舞いがまかり通ったのは、国家の威信を懸けたスポーツイベントだという理由だけではない。聞こえてくるのは“土建国家復活”の足音である。

労務単価15%増
職人不足の一方で土木ゼネコン復活

 「実態の賃金水準を反映しているのなら、コスト高を受け入れざるを得ない」──。

 建設労働者の賃金や資材費アップについて、上昇分をきちんと支払おうという動きが加速している。最初に動いたのは国だ。国土交通省は今年3月、毎年行っている公共工事の労務単価見直しの際、前年度比で全国平均15%アップと、前代未聞の大幅引き上げを行った。

 東日本大震災の復興需要で、公共工事がいきなり増えた結果、職人や資材が不足し、コストが高騰。誰も入札に応じない、いわゆる“不調工事”が被災地で激増した。

 被災地だけでなく、築地市場の移転工事など、不調は全国に広がっている。

 日本の名目建設投資額はバブル崩壊以降、減少を続け、1992年度の約84兆円をピークに減り続け、10年度は約42兆円と、半分になった。しかし、復興需要によって流れは変わった。

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