1人1台時代のあるべきルールとは
多くの会社で、パソコンは1人に1台与えられ、業務上必要なメールアドレスも、各従業員に付与されているが、社内のパソコンで業務と関係のないWebサイトを閲覧することは許されるだろうか。社外の友人と会社のメールアドレスで連絡を取り合うことはどうだろうか。
私的な用件でインターネットを利用することを制限している会社は多い。一般的に、従業員数が多い会社ほど、社内規則で規制したり、技術的にアクセスできないような制限がかけられている傾向がある。
会社が講じる具体的な対策としては、フィルタリング技術によるWebサイトの閲覧制限が挙げられる。インターネットの利用状況をシステム上でモニタリングする場合もある。また、Webサイトへのアクセスログ(閲覧状況の履歴)を保存しておくこともあるようだ。
フィルタリング関連のサービスを提供しているネットスター株式会社が発表した「第5回 職場でのインターネット利用実態調査」では、フィルタリングを導入している職場に勤務する回答者のうち73.4%がアクセス制限を受けたと回答。そのうち、4割近くは業務に必要なサイトだったとの結果が出ている。これは「多くはSNSやブログなどの双方向利用型サイトで、従業員は情報収集等の観点から『業務上必要だ』と考えているのに対し、システム管理者側は、発信による情報漏えいリスク対策の一環として、広く制限対象に加えているというギャップがうかがわれる」とネットスターは解説している。
私的利用は処分の対象にも
メールについても、送信・着信履歴を保存しているほか、利用状況のモニタリングをしている会社はかなり多い。
パソコンの私的使用や不正使用は、会社から何らかの処分を受ける可能性が高い。とくに会社の機密データの持ち出しや公開は、懲戒解雇の対象となり得る。また、それらの行為によって会社に被害が及べば、損害賠償の請求や、刑罰を科せられることもある。私的利用と業務利用の判別が難しいものも少なくないが、その行為によって業務に支障をきたすことのないよう、十分に注意しなければならない。なお、会社のメールが監視されているからといって、携帯メールを使い、頻繁に業務を中断させれば、それも処罰の対象になり得る。
気軽に使える情報機器だからこそ、良識的な利用を心がけることとルールを守る姿勢が必要なのだ。
(第3回は5月7日公開予定)