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「競馬界の電車男」大江原圭
未勝利新人騎手への声援は時代の空気か

相沢光一 [スポーツライター]
【第64回】 2009年7月22日
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 マニアックな競馬ファンから注目を集めている騎手がいる。好騎乗で勝利を積み重ねているからではない。まったく逆で、デビューして1年4ヵ月、1度も勝ったことがない若手騎手だ。名前は大江原圭。

 JRAでは昨年3月、3人の新人騎手がデビューした。三浦皇成、伊藤工真、そして大江原である。

 三浦のことは知っている人も多いだろう。昨年は新人にもかかわらず勝ちまくり、武豊が持っていたJRA新人年間最多勝利記録(69勝)を大幅に塗り替える91勝をあげた。今年に入っても順調に勝ち星を積み上げ、2月8日には101勝を達成。新人騎手に与えられる減量特典も消えた。

 新人は技術が未熟なうえ経験も乏しいため見習騎手と呼ばれ、そのハンデを補う減量特典が与えられる。同じ馬に同じ騎手が乗った場合、負担重量1キロの差は1馬身差になるといわれる。新人にはその減量特典を与えて勝たせ、自信を植えつけようという制度だ。デビュー時点の騎手は誰もが負担重量マイナス3キロからスタート。31勝以上するとそれはマイナス2キロになり、51勝以上100勝以下はマイナス1キロ、101勝した時点で減量特典は消える。三浦はデビューして1年も経たないうちに見習を卒業し、一人前の騎手の座を勝ち取ったのである。

 これだけの活躍を見せればマスコミも放っておかない。テレビや新聞・雑誌がこぞって取り上げ、人気は急上昇。今年6月にはタレントほしのあきとの交際が報じられるなど、華やかな話題にも事欠かない。売上が落ち込んでいるJRAが人気回復の切り札として期待しているホープである。

勝ち続ける三浦と対照的に
まったく勝てない大江原

 三浦が突出した活躍をしているため、比較して見られるようになったのが同期の伊藤工と大江原だ。三浦は光であり、伊藤工と大江原は陰的存在。ただ、伊藤工は初勝利まで8ヵ月近くかかる苦労はしたものの、その後は安定した騎乗を見せるようになり、今年はすでに13勝。「いい馬に乗せれば確実に上位に持ってくる若手」という評価を得ている。

 ところが大江原は、これまで120回騎乗して、0勝・2着2回・3着2回という成績。未勝利であるばかりか、当たり馬券の対象になることもめったにないのだ。

 そんな騎手になぜ注目が集まっているのか。

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相沢光一 [スポーツライター]

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」


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