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「デジタルな日常」を生きる

コーヒーメーカーは、20年進化していなかった。
2人のエンジニアが挑むコーヒーの味の革新

松村太郎 [ジャーナリスト・著者]
【第12回】 2014年1月28日
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ブロッサム・コーヒー。銀色の筒に豆を入れると、自動的に温度調節された湯が注がれ、カップ内を一定の温度に保ってくれる。上のレバーを押し下げて、コーヒーをカップに抽出する。レシピやタイミングは、画面がガイドしてくれる Photo by Taro Matsumura

 寒い日が続く。温かい飲み物がありがたい季節だ。今日はコーヒーの話題から始めようと思う。

 筆者が住んでいるサンフランシスコ周辺では「サードウェーブ」と呼ばれるコーヒー文化の第三波がその勢力を拡げている。サンフランシスコ、ポートランドを中心とした新しいコーヒーへの取り組みだ。

 第一波はコーヒーが一般家庭に広まったコーヒーの大衆化、第二波はスターバックスに代表されるクオリティとスタイルの獲得だとすれば、第三波は多様化と持続性、さらなる味の追究と位置づけることができる。大量生産・大量消費、巨大ブランドによる市場独占といった流れから、スモール・ローカル・オープンでシェアなコミュニティへと変化を見せるのがサードウエーブ。

 詳しくは2013年に共著で出版した「サードウェーブコーヒー読本」(枻出版社)で詳しく解説しているのでご参考に。

 日本でサードウェーブコーヒーカルチャーへの注目が高まる一方で、サンフランシスコのコーヒー人の多くが、日本・東京に熱い視線を向けていたことに驚かされた。古き良き喫茶店は毎朝自家焙煎をし、心地よい空間と最高の技でお客さんをもてなす。その姿はサードウェーブに傾倒する人々の憧れでもあり、進歩的でクールと絶賛する。日本のスタイルに、サードウェーブの次のコーヒーシーンを見出そうとする人も少なくない。

 太平洋をまたいだ同じ飲み物に対する切磋琢磨は、東京から西海岸に移り住んだ筆者にとって興奮を隠しきれない、素晴らしい発見だった。

「ブロッサム・コーヒー」とは?

 コーヒーの先端都市であるサンフランシスコと東京。この二都市間で違いを見いだせるとしたら、それはテクノロジーの介在だろう。

 コーヒー文化を観察していると、テクノロジービジネスの変化に重ねることができる。例えば巨大企業マイクロソフトによるソフトウエア独占から、モバイルプラットホームが生まれ、たくさんの小規模なスタートアップがアプリを毎日のように発表するようになり、新しいアイディアやイノベーションが活発に起きている。

 こうしたテクノロジーのアイディアをコーヒーに適用したら何が起きるか? そんなチャレンジをしているスタートアップ企業「ブロッサム・コーヒー(Blossom Coffee)」を取材した。

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松村太郎[ジャーナリスト・著者]

まつむら・たろう/1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「スマートフォン新時代」「ソーシャルラーニング入門」など。

 


「デジタルな日常」を生きる

スマホ、SNSなど、毎日の暮らしに欠かすことのできなくなったネット環境とデジタルツール。その一方で、セキュリティやプライバシーの問題、ツールへの依存、ネットコミュニティとの関わり方など、日々新たな問題が現れ、状況は変化している。私たちは「デジタルな日常」をどう生きていけばいいのか、米国シリコンバレー在住の記者が、生活者の目線で解説する。

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