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山田厚史の「世界かわら版」

「安倍潮流阻止」が裏テーマの都知事選
脱原発候補一本化で問われる共産党の姿勢

山田厚史 [デモクラTV代表・元朝日新聞編集委員]
【第53回】 2014年1月30日
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 時計の針を逆に回すような動きが目立つ安倍政権。「アベノトレンド」とも言うべき逆流にブレーキを掛けられるか。東京都知事選の裏テーマはこの一点だ。ところが自民党が担ぐ元厚労相の舛添要一氏が圧勝の勢いという。報道各社の世論調査で元首相・細川護煕氏、元日弁連会長の宇都宮健児氏を大きく引き離した。反原発勢力が逆転するには「候補者一本化」しかない。水面下で進む共闘協議は時間切れ寸前。問われているのは、現実政治に対する「頭の柔らかさ」。とりわけ日本共産党の決断にかかっている。

「候補者一本化」について両候補に尋ねた

 私たちはインターネットでニュース解説番組を提供する「デモクラTV」を運営している。今回の都知事選を前に、4人の候補者に出演をお願いした。舛添氏と元航空幕僚長の田母神俊雄氏からは告示前に返事をいただけなかった。宇都宮氏と細川氏は快諾し、それぞれ1時間のインタビューに応じた。

 「候補者一本化」を両候補に尋ねた。二人とも「一緒にできないか、という声は各方面から上がっている」という。

 それが困難であることを宇都宮氏は「細川さんがどんな気持ちで反原発をいわれるのか、分からない。原発だけが東京の課題ではない。他の政策についてどう考えておられるのか、その点について話を聞かないと判断がつかない」(1月10日収録)。

 細川氏は「宇都宮さんは他の政策と原発を同列に並べている。私は原発問題は、その他の懸案と比べものにならない重い課題と思っている。話をして野合とか裏取引と言われちゃかなわない。毅然と原発最優先で選挙に臨みたい」(1月22日収録)。
(なお、この模様はアーカイブに収蔵されており、会員でなくてもインターネットを通じて無料で見ることができる)

 宇都宮氏へのインタビューは、細川氏が決意表明する4日前、政策がまだ明確に示されていなかった時の収録だった。

 14日に細川氏は小泉元首相と会い、出馬を表明した。「この選挙は原発ゼロでも日本は発展できるというグループと、原発なくして日本は発展できないというグループの争いだ」という対決の構図が示された。

 安倍政権への挑戦状でもある。小泉氏がそこまで踏み込むとは、安倍首相も自民党も思っていなかった。知事選が持つ意味が一気に変わった。

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山田厚史 [デモクラTV代表・元朝日新聞編集委員]

やまだ あつし/1971年朝日新聞入社。青森・千葉支局員を経て経済記者。大蔵省、外務省、自動車業界、金融証券業界など担当。ロンドン特派員として東欧の市場経済化、EC市場統合などを取材、93年から編集委員。ハーバード大学ニーマンフェロー。朝日新聞特別編集委員(経済担当)として大蔵行政や金融業界の体質を問う記事を執筆。2000年からバンコク特派員。2012年からフリージャーナリスト。CS放送「朝日ニュースター」で、「パックインジャーナル」のコメンテーターなど務める。

 


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元朝日新聞編集員で、反骨のジャーナリスト山田厚史が、世界中で起こる政治・経済の森羅万象に鋭く切り込む。その独自の視点で、強者の論理の欺瞞や矛盾、市場原理の裏に潜む冷徹な打算を解き明かします。

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