ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
【BCG×フロントランナー化学反応スパーク対談】

漫画家(音楽家)・池田理代子
×BCGシニア・パートナー・重竹尚基【後編】
「ダメ」出し企画をホームランに変えるツボ
「アスピレーション」とは何か?

池田理代子 [劇画家・声楽家(ソプラノ)],重竹尚基 [ボストン コンサルティング グループ シニア・パートナー&マネージング・ディレクター]
【第10回】 2014年2月7日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage
『ベルばら』連載中にデッサンを学び直したという作者・池田理代子さん(左)とBCGシニア・ パートナーの重竹尚基さん

世界各国の読者を魅了するロングセラー少女漫画『ベルサイユのばら』。じつは、その誕生の裏には、知られざる編集者との攻防戦があった。一度は「売れない」と言われた企画を、単なるヒットではなく、ホームラン級の作品にしたものはいったい何だったのか?

『ベルばら』作者の池田理代子氏とボストン コンサルティング グループ、シニア・パートナー&マネージング・ディレクターの重竹尚基氏の対談後編では、前回に続きビジネスパーソンなら誰もが知りたい「ヒットを生み出すツボ」について語り合った。
(構成 曲沼美恵/写真 宇佐見利昭)

爆発的なヒットは
顧客調査からは生まれない

重竹 ところで、理代子さんが『ベルばら』を描いた時は、「読者」はどれくらい意識しましたか?

池田 意識しません。

重竹 まったく?

池田 ええ、まったく。若い時は特にそうでしたけれど、自分のためだけに、自分が描きたいものを描いていました。

重竹 それは面白いな。と言うのは、我々の世界では「爆発的なヒットはお客さんの声を聞いたら生まれない」と言われているんです。顧客というのは、今あるモノやサービスに対しての良し悪しは意見できますが、まだこの世に存在していないモノやサービスを具体的にイメージして、「これが欲しい」と言うことはできない。たとえば、昔ヒットしたソニーのウォークマン。あれは、顧客の声をヒアリングしていたら、絶対に生まれなかったはずの商品なんです。

池田 それは実感としてすごくよく分かります。最近ね、『ベルばら』を連載していた『マーガレット』で、連載開始40周年を記念してエピソードを描いているんです。新しく付いてくれた担当者が読者の感想をいろいろと教えてくれるんですが、私は「教えないでくれ」って言ったのね。「こういう展開が読みたい」という読者の声を耳に入れないでほしい、ってお願いしたんです。だって、それに合わせて描いていたら、つまらないものになっちゃうでしょう?

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

池田理代子 [劇画家・声楽家(ソプラノ)]

いけだ・りよこ/1947年、大阪府生まれ。東京教育大学(現・筑波大学)哲学科在学中に描いた『ベルサイユのばら』が爆発的ベストセラーとなり、アジア、ヨーロッパ各国でも多くのファンを魅了。現在でも高い国際的評価を得ている。『オルフェウスの窓』で日本漫画家協会優秀賞受賞。1995年、47歳で東京音楽大学声楽科に入学、1999年卒業。劇画家として活躍すると同時に、声楽家としても活躍中。若い歌い手たちのためのコンサート『池田理代子とばらのミューズたち』を主宰するなど、日本国内におけるオペラの普及活動に務めている。日仏文化交流への貢献を認められ、2009年にフランス政府よりレジョン・ドヌール勲章を贈られる。

重竹尚基[ボストン コンサルティング グループ シニア・パートナー&マネージング・ディレクター]

しげたけ・なおき/早稲田大学政治経済学部卒業。米シカゴ大学経営学修士(MBA)。三井物産、ボストン コンサルティング グループ(BCG) ロンドンオフィスを経て現在に至る。BCGエネルギー・プラクティスの日本リーダー。エネルギー、商社、産業財企業などを中心に、インダストリアルグッズ・プラクティス、オーガニゼーション・プラクティス、コーポレートディベロップメント・プラスティスのコアメンバーとして、組織改革やグループマネジメント、ポートフォリオマネジメント、企業価値向上などをテーマとしたコンサルティングを数多く手掛ける。中学生の時に姉が持っていた週刊マーガレットでベルばらをこっそり読んで以来、少女漫画にはまって40年。「少女漫画からの学びは深い」と、語り出したら止まらない。少女漫画に学ぶマネジメントスキルの伝道師。


【BCG×フロントランナー化学反応スパーク対談】

ボストン コンサルティング グループ(BCG)は世界をリードする戦略系経営コンサルティングファームである。そのパートナーが、ビジネス界とは異なる世界で活躍するフロントランナーへのインタビューを通じて、ビジネスパーソンが直面する課題解決への示唆を紡ぎだす。ビジネス外のプロフェッショナルとビジネスのプロが率直に語り合う異種格闘技戦。思いもかけない化学反応がおき、ビジネスパーソンにとって大きなヒントが導き出せるだろう。

「【BCG×フロントランナー化学反応スパーク対談】」

⇒バックナンバー一覧