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シュリンク業界で生き残れるか?~構造不況の迷宮で再起を図る人々 吉田典史

「24時間労働で8000円」の残酷職場に咲く一輪の花
漫画家アシスタントが“未来の先生”を諦めない理由

――漫画家アシスタント・田中綾乃さん(仮名)のケース

吉田典史 [ジャーナリスト]
【第15回】 2012年12月11日
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 連載第15回は、労働条件があまりにも過酷なことから「残酷物語」として紹介されることも多い、漫画家アシスタントを取り上げよう。10年のキャリアがありながらも、年収は150万円以下のアシスタントもザラだという。ある女性アシスタントが見た漫画家の世界とは……?

 あなたは、生き残ることができるか?


今回のシュリンク業界――漫画家アシスタント

 今回は、漫画家を扱った連載第1回にて紹介した業界リサーチを再掲することで、代えさせていただきたい。

 出版業界の市場規模は約1兆8000億円(出版科学研究所調べ)。インターネットの普及、紙媒体離れなどにより、市場は縮小傾向にある。社員数が数十人の小規模・零細企業が多いのが特徴。『出版年鑑2010』(出版ニュース社)によると、全国に約3900社ある出版社の中で、従業員数が10人以下の会社は全体の半数を超える。

 漫画ビジネスは、落ち込みが激しいジャンルの1つ。全国出版協会の調査によると、コミック誌の推定販売額(取次ルート)は13年連続のマイナスとなっている。読者の志向の多様化、購入の不定期化により、「売れ線」が見極めづらくなったため、競争が激化している。

 連載第1回で紹介した通り、漫画家も生存競争は激しいが、それを支えるアシスタントも厳しい。長時間労働であるわりには、収入が少なく、雇用は不安定。しかも、努力すれば一人前の漫画家として独立できるという保証はない。たとえなれたとしても、構造不況のなかで仕事がなくなり、他の漫画家のアシスタントに逆戻りするケースもあるという。

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吉田典史 [ジャーナリスト]

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006 年からフリー。主に人事・労務分野で取材・執筆・編集を続ける。著書に『あの日、負け組社員になった・・・』『震災死 生き証人たちの真実の告白』(共にダイヤモンド社)や、『封印された震災死』(世界文化社)など。ウェブサイトでは、ダイヤモンド社や日経BP社、プレジデント社、小学館などで執筆。


シュリンク業界で生き残れるか?~構造不況の迷宮で再起を図る人々 吉田典史

「働いても働いても、生活が楽にならない」。それは気のせいではない。日本の多くの業界は今、先が見えない「構造不況」の暗闇の中にいる。シュリンクする業界で働く人々にとって、業績アップ、収入増、労働環境の改善などを目指すことは難しい。しかし、そんななかでも、他人と違うアイディアを考案したり、誰も気づいていないビジネスを見出すことで、必死に生き延びようとする人はいる。この連載では、シュリンク業界で絶望し、起死回生を図るビジネスマンや個人事業主の生の姿を描くことを通じて、私たちがビジネスで心得るべきヒントや教訓を考えていく。

「シュリンク業界で生き残れるか?~構造不況の迷宮で再起を図る人々 吉田典史」

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