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財部誠一の現代日本私観

“SONY”は本当に死んでしまったのか

財部誠一 [経済ジャーナリスト]
【第23回】 2014年2月10日
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ソニーが一人負けするなか、
なぜ日立は復活できたか

 コンシューマービジネスから社会インフラビジネスへと思い切った舵を切った日立は、今年度の営業利益が過去最高だった1991年の5064億円を上回り、今年度は23年ぶりに過去最高利益になる。最低でも5100億円、場合によっては上方修正もありそうだ。

 ソニーとともに業績不振にあえぎ、経営再建に取り組んできたパナソニックとシャープも帳尻を合わせてきた。パナソニックはプラズマテレビやスマホ事業からの撤退表明で、社内外から先行きへの不安がささやかれてはいるものの、従業員の給与引き下げなどのリストラ効果により、最終利益は1000億円ほどの黒字と予想されている。

 一時は経営危機まで叫ばれたシャープも、有利子負債の支払利息が膨れているために最終損益は50億円程度になるようだが、営業利益の予想は800億円から1000億円へと上方修正された。

 だが2月7日に第3四半期の決算発表をしたソニーは、当初の黒字予想から1100億円の赤字に下方修正することを明らかにした。リーマンショック後4年連続の赤字を経て、昨年度は黒字を計上したものの、再びの赤字転落。ソニー一人負けの様相を呈している。

 1月27日、ムーディーズ・ジャパンがソニーの長期債務格付けを「Baa3」から「Ba1」へと引き下げたのも、赤字転落を予想してのことだったのだろう。「Baa3」は21ある格付けのなかの上から10番目で、「Ba1」への引き下げはワンランクダウンにすぎないが、この位置での格下げには特別な意味がある。「Baa3」までは“投資適格“と認識されるが、「Ba1」以下は“投機的”とカテゴライズされるからだ。

 だがソニーの決算発表会に出席したあるジャーナリストは「危機感の希薄さ」に驚いたと話している。

 「テレビ事業は10年連続の赤字となる。その対応策が来期の分社化だが、分社化でテレビ事業の黒字が担保されるわけではない。平井社長はテレビは付加価値戦略でやっていく、テレビからの撤退はないと話していたが、残念ながらテレビ事業が再び利益を生む事業に復活するなど、微塵も感じることはできなかった」

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財部誠一 [経済ジャーナリスト]

1956年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、野村證券に入社。同社退社後、3年間の出版社勤務を経てフリーランスジャーナリストに。金融、経済誌に多く寄稿し、気鋭のジャーナリストとして期待される。BS日テレ『財部ビジネス研究所』、テレビ朝日『報道ステーション』等、TVやラジオでも活躍中。また、経済政策シンクタンク「ハーベイロード・ジャパン」を主宰し、「財政均衡法」など各種の政策提言を行っている。


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経済ジャーナリスト・財部誠一が混迷を極める日本経済の現状を鋭く斬るコラム。数々の取材から見えた世界情勢を鋭く分析するとともに、現代日本にふさわしい企業、そして国のあり方を提言していく。

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