「お客様に売る」から
「お客様が買う」へ

 「人は思ったとおりにしか動かない」というのが人の行動原則。お客様の気持ちをしっかりとお聞きし、その中でお客様がメリットを感じておられれば、自ら動かれるということがわかります。

 「質問をきっかけに、お互いによく話し合うということが、お客様も私も楽なんだということもわかりました」

 質問型営業を続けていると、商談内容に変化が生じます。「お客様に売ること」から「お客様が買うこと」へと変わっていくのです。

 「以前は説明して納得いただく感じでした。今は、見積もりも含め説明しても、最後に『どう思うか? どう感じるか? 工事はどう進めていきたいのか?』を聞くようにしています。明らかにスタンスが変わりました。つまり、営業マンからアドバイザーになり、お役に立っているという感じですね。

 特に、お客様のお話を聞いているうちにお役立ちの気持ちが出てきます。その時に、自然に話を聞く順番が現状、欲求、解決策になります。この順番はお役立ちという観点から考えてそうなりました。お客様というよりも、プロの専門家として、『差し支えなかれば』という言葉とともに何でも聞くようになりました。お客様はお金をお支払いになられるのだから、当然綺麗にしてもらいたいわけですからね」

 クロージングに質問を取り入れることで、数字に追われる感覚がなくなり、思考も変わったようです。最大のポイントはどこにあったのでしょうか?