これまで10年で100社以上の中小企業を倒産の危機から救ってきたキャッシュフローの専門家・森岡寛氏が「赤字経営から脱却して黒字基調の会社になるコツ」について、全5回にわたり解説します。連載第2回は「赤字社長に共通する7つの特徴」です。

 実際にどのような会社が、赤字に陥っているのでしょうか?

 私がこれまで15年にわたり、数多くの中小企業の経営者とお会いしてきた中で感じる赤字社長に共通する特徴としては、以下の7つが挙げられます。

 社長の方は、自分の身に覚えがないか今一度確認してみてください。社長以外の方は、自社の社長や取引先の社長を思い浮かべながら、以下の項目に目を通してみてください。

1.税金の支払いが嫌い

 会社は利益を出さないと生き残れません。

 資金繰りの悩みから解放されたいのであれば、なおさらです。

 ところが、赤字社長は税金がかかる話が大嫌いです。少しでも利益が出そうになると、意味もなく節税に奔走します。

 とにかく、税金を払わない=赤字であることが悪ではなく、税金を払うこと=悪という価値観なのです。

 ひどい場合は、繰越欠損金が多額に残っていて、業績も思わしくないにも関わらず、節税策のことばかりを税理士さんに相談している赤字社長もいます。まさしく本末転倒ですね。

 これでは、貯まるべきお金も貯まりません。当然ですが、資金繰りの悩みから解放されることもありません。

 会社を黒字にしたいのであれば、「納税」を受け入れる価値観を持たない限り、キャッシュは貯まりません。