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エコカー大戦争!

現地密着取材!ロスアラモス発「スマートグリッド」革命の胎動~日米巨大プロジェクトの知られざる正体

桃田健史 [ジャーナリスト]
【第34回】 2010年3月15日
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 2010年3月5日(金)午後2時30分。米ニューメキシコ州サンタフェ郊外にあるヒルトンサンタフェの会議施設。

 200名ほどが集まったその会場内中央の壇上に、「The Signing Ceremony for Implementation of NEDO Smart Grid Demonstration Project in New Mexico」とある。NEDOは、日本の経済産業省所管の独立行政法人・新エネルギー・産業技術総合開発機構のこと。そのNEDOの言葉を借りれば、スマートグリッドとは「情報通信技術を用いて、電力の需要・供給を効率的に制御する次世代電力網の総称」(NEDO資料より)を指す。

 本連載第31回「スマートグリッドという金の卵の育て方」で紹介した通り、日本は今、産学官をあげてスマートグリッドに本気で取り組んでいる。

日本の産業空洞化対策として
産官学ともスマートグリッドに本気

NEDOと各行政機関、企業とのMOU(契約覚書)の調印を終えて、記念撮影。中央にNEDOの福水健文副理事長

 日本の製造業の中核である自動車産業は近未来に、海外へ大規模に移転する可能性が高い。そうなれば日本では、大規模な産業の空洞化現象が起きる。そのため、自動車産業の代替として、そして日本が世界に向けた高い事業競争力を誇示できる新産業として、スマートグリッドに自社の未来を託そうと考えている大手日本企業は少なくない。

 同日のセレモニーでは、NEDOとスマートグリッド実証試験に直接関与する以下の行政府、団体、企業とがMOU(Memorandum of Understanding/契約覚書)の調印を行った。

・ロスアラモス郡およびPNM (Public Service Company in New Mexico)~ロスアラモス郡への電力供給会社
・米エネルギー省所管のロスアラモス国立研究所
・同サンディア国立研究所
・Mesa del Sol ~アルバカーキーでの実証試験を行う商業地域のデベロッパー

 壇上では、NEDOの福水健文副理事長が、米国側の関係者それぞれと覚書を交換した。福水氏、及び米国側の出席者は異口同音に「この大プロジェクトの成功を祈る」とのコメントを述べた。

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桃田健史 [ジャーナリスト]

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中


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