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石川和男の霞が関政策総研

電力自由化法案審議で取り上げるべき重大論点
欧米の失敗例を倣わず消費者利益保護を優先せよ

石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表]
【第15回】 2014年2月24日
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本当に電力自由化により
電気料金は下がっているのか

 今国会に電力小売への参入を全面自由化するための電気事業法変更案が提出される予定だ。政府・経済産業省は現在、そのための事前説明を与野党議員に鋭意行っている。

 政府が法案を提出する前にこうした事前説明が行われることは、通常のことだ。

 本稿では、来るべき国会での法案審議を見据えて、経産省が提示しているさまざまな資料を素材にして、慎重かつ入念に審議すべき幾つかの重要な論点について取り上げていきたい。

1月29日に経済産業省が自民党の部会で配布した資料の中に、“ドイツにおける電力自由化と電気料金の推移”という資料がある(図表1参照)。

 経産省の主張は、ドイツの電気料金が再生可能エネルギー費用などによって1998年から2012年にかけて1.5倍に上昇しているが、それがなければ電力自由化によって電気料金は下がっている、という趣旨なのだろう。1998年と2012年の2点間で比較すれば、その主張は正しいように見える。

 しかし、本連載第12回「欧米諸国の先行例を改めて吟味する 電力全面自由化はやはり愚策だ」のような、逐年での電気料金推移を示しながらの検証はなされていないので、そこの説明は必ず求められることになるだろう。

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石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表]

1989年3月東京大学工学部卒業。同年4月通商産業省(現経済産業省)入省。資源エネルギー庁、生活産業局、環境立地局、産業政策局、中小企業庁、商務情報政策局、大臣官房等を歴任。2007年3月経済産業省退官。08年4月東京女子医科大学特任教授(~10年3月)。09年1月政策研究大学院大学客員教授。09年4月東京財団上席研究員。11年9月NPO法人社会保障経済研究所代表。ツイッター:@kazuo_ishikawa ニコ生公式チャンネル『霞が関政策総研』、ブログ『霞が関政策総研ブログ』


石川和男の霞が関政策総研

経済産業省の元官僚として政策立案の現場に実際に関わってきた経験と知識を基に、社会保障、エネルギー、公的金融、行政改革、リテール金融など、日本が抱えるさまざまな政策課題について、独自の視点で提言を行なっていく。

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