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石川和男の霞が関政策総研

電力とガスの本当の既得権者は誰なのか?
理解すべき料金の「内部補填」という設計思想

石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表]
【第3回】 2013年9月9日
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ガスも電気と同様に
小売の全面自由化へ

 今、政府・経済産業省においては、電気料金制度とガス料金制度について、それぞれ制度変更の検討が進められている。

 電気料金制度に関しては、いわゆる“電力システム改革”を具現化するために先の通常国会で提出された電気事業法変更案に連動するものである。ただ、6月の会期末での政治的混乱から同法案は廃案になったが、次の臨時国会で同じ内容の法案が再び提出される見込みである。

 ガス料金制度に関しては、7月12日の第1回会合で検討が開始されたばかりだが、9月3日の第2回会合報告書案が提示されるという“スピード結審”の様相を呈している。

 そこで示されている方向性は、平成24年3月の『電気料金制度・運用の見直しに係る有識者会議報告書』で掲げられた思想を受け継ぐ内容が散りばめられているが、総括原価方式を否定しているわけではない。これは、家庭用等の小規模需要向けのガス小売を地域独占・規制対象としている現在の事業制度を前提としているからであるが、政府は、ガスについても、“電力システム改革”と同様、小売の全面自由化を進める意向と伝えられており、早晩議論が開始されると思われる。

 言うまでもなく、電気料金もガス料金も、国民生活に深い関わりがある。公共料金として毎月徴収されるものであり、いわば日銭のようなものである。だから、料金制度を変更することでどのような料金水準になるのかが、消費者の最大の関心事になろう。

 そういう観点から、特に我々一般消費者の代弁者と思われる消費者団体がどのような姿勢でこの検討に臨んでいるかに興味が湧いてくる。

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石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表]

1989年3月東京大学工学部卒業。同年4月通商産業省(現経済産業省)入省。資源エネルギー庁、生活産業局、環境立地局、産業政策局、中小企業庁、商務情報政策局、大臣官房等を歴任。2007年3月経済産業省退官。08年4月東京女子医科大学特任教授(~10年3月)。09年1月政策研究大学院大学客員教授。09年4月東京財団上席研究員。11年9月NPO法人社会保障経済研究所代表。ツイッター:@kazuo_ishikawa ニコ生公式チャンネル『霞が関政策総研』、ブログ『霞が関政策総研ブログ』


石川和男の霞が関政策総研

経済産業省の元官僚として政策立案の現場に実際に関わってきた経験と知識を基に、社会保障、エネルギー、公的金融、行政改革、リテール金融など、日本が抱えるさまざまな政策課題について、独自の視点で提言を行なっていく。

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