日ごろから健康で、医療機関を利用するのは数年に1回、風邪をひいたときくらいで、おくすり手帳の必要性を感じていない人もいるだろう。4月以降は、そうした人は、「おくすり手帳への記載は必要ありません」と伝えれば、薬剤服用管理指導料はわずかだが節約できる。もちろん手帳を持っていない患者には算定できない。医療費を少しでも節約したい人は覚えておきたい変更だ。

服薬指導のタイミングまで
国が口をだす背景には

 処方されても飲まずに捨てられている薬は、年間400億円にも上ると推計されている。また、先発品よりも価格の安い後発品の普及もなかなか進まない。

 そこで、国は医療費削減のために、残薬の管理、後発医薬品の使用割合を高めることを目標としており、薬剤師から患者への情報提供を行うことを期待している。おくすり手帳への調剤報酬が変更されたのも医療費削減が理由だが、今回は服薬指導のタイミングにまで注文が付けられた。

 現在、ほとんどの薬局では、薬を揃え、必要な書類を作ってから、患者への服薬指導をしている。だが、その時点で、飲み残した薬はどれくらいあるのか、患者がジェネリックを希望しているかどうかを聞いても後の祭りだ。

 4月以降は、薬剤服用歴管理指導料を算定するためには、処方せんを受け付けた時点で、残薬の数、後発医薬品の使用を患者が希望するかどう確認しなければいけなくなる。

 本来、服薬指導のタイミングなどは、各薬局が独自の判断で行えばいいもののはずだが、国がこうしたことまで口をはさむ背景には、調剤薬局に厳しい目が注がれるようになっているのが理由のひとつだ。

 大多数の薬局は法令に従って、患者のために真摯に業務をこなしている。だが、一部の調剤薬局チェーンのオーナーが破格の報酬を得ていることが批判されており、医薬分業によって病院から調剤薬局に移った医療収入が、「調剤バブル」と揶揄されるまでになっているのだ。

 医療費の仕組みは複雑で、明細書をみても、一般の人がその金額が正しいかどうかを見分けるのは難しい。だが、日本の医療制度は、健康保険料や税金で賄われる国民共通の財産だ。薬局が法令を遵守するのは当然だが、医療制度を健全に運用していくためには、患者も自らが使う医療費に関心を払う必要があるだろう。