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出口治明の提言:日本の優先順位

超高齢社会に医療はどう対応すべきか

出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]
【第109回】 2014年2月18日
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 病院等医療機関の収入となる診療報酬の改定内容が、2月12日に開かれた中央社会保険医療協議会でまとまった。それによると、改定の主眼は、病院依存の医療から在宅ケア重視への転換であるが、高齢者の多くが慢性病を患っている現状を考えれば、在宅医療に重点を移すことは理の当然であるように思われる。超高齢社会に医療はどう対応すべきか、今回はこの問題を考えてみたい。

自宅で死を迎えたいが8割、
現状は病院での死亡が8割

 僕は三重県の片田舎で育ったが、近所の人を含めて病院に行く人はあまりいなかった。かかりつけのお医者さんがいて、病気の時は往診に来てくれるのが普通だった。そして高齢者は自然に自宅で死を迎えていた。超高齢社会は言葉を変えれば多死社会である。超高齢社会の医療の問題は、最終的には死とどのように向き合うか、という問題を避けては通れないと考える。

 ここにホスピス財団が2012年にまとめた「ホスピス・緩和ケアに関する意識調査」がある。これによると、「余命が限られている場合、自宅で過ごしたい人の割合」は、全体で81.4%にのぼるが、それが「実現可能だと思う」人は18.3%しかいない(63.1%は、実現は難しいと思う、と回答している)。

 次に「自宅で最期を過ごすための条件」をたずねると、「介護してくれる家族がいること、63.4%」「家族に負担があまりかからないこと、50.0%」「急変時の医療体制があること、42.2%」「自宅に往診してくれる医師がいること、41.2%」の4項目が4割を超えていた。

 また、「医療用麻薬のイメージ」については、「痛みが和らぐ、81.5%」「最後の手段だと思う、59.0%」「副作用がある、49.4%」がトップ3であり、まだまだ正しい理解は十分とは言えない状況である。先進国では、「最後の手段である」「副作用がある」などの考えはほとんど見られない。この意識の落差もわが国における、医療用麻薬の使用が少ない(先進国の1割程度)1つの要因であろう。

次のページ>> 今回の改定案は妥当
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出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の会長兼CEOであり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

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