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証取委、名前公開でも正体不明
蠢く国際仕手集団の不気味

週刊ダイヤモンド編集部
2014年3月11日
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セレクト社の英文のホームページ。宣伝文句が並ぶ程度で、本社の所在地や連絡先などは一切記されていない

 中米コスタリカに本拠地を置き、中国、欧州、南米に230のオフィスを構え、約2800人のデイトレーダーを雇って、各国の証券取引所に注文を出す……。証券取引等監視委員会(SESC)が2月、課徴金納付命令を勧告したセレクト・バンテイジ社の陣容だ。国境を越えて蠢くえたいの知れない仕手集団というイメージが浮かぶ。

 勧告の理由は、2012年4月、東京証券取引所1部上場の酉島製作所とホシザキ電機の2銘柄で、売買の意思がないのに注文を出す、「見せ玉」によって株価をゆがめ、自己に有利な価格で約定する「相場操縦」をしていたからだ。

 1回の取引で得た利益は数千円から1万円程度で、それを1日の間に数回繰り返していた。この2銘柄の注文は、中国の拠点から出されていた。12年3~4月、東証で同様に相場操縦をしていた疑いのある銘柄はほかに86あり、追加処分される可能性もある。

 SESCによると、セレクト社の代表者はダニエル・シュレイファーなる人物で、「スイフト・トレード」という会社からトレーダーや取引システムを承継したとみているが、詳細はSESC関係者も「よくわからない」という。

 一方で、セレクト社に事業を譲渡したというスイフト社やそのグループには、すでに英米の金融当局が処分を科している。

 07~08年に、英ロンドン証券取引所で相場操縦行為をしたとして、英国の金融サービス機構(FSA、当時)は11年5月、スイフト社に対し、約13億円と巨額の制裁金を科した。米国の証券取引委員会(SEC)は、07~10年に米国の証券市場で相場操縦行為をしたとして、スイフト社の親会社に当たる証券仲介業者、ビレメ・コーポレーションとその幹部が制裁金5000万円を払うことで和解したと発表している。

 当局の資料では、米国で処分を受けたビレメ社幹部2人のうち1人が、セレクト社のCEO。彼らはカナダ・トロントを本拠地とし、トレーダーを採用して世界中の拠点に配置。欧米やカナダ、日本の取引所で取引させていた。トレーダーには損失の限度額を設け、これを超えると厳しく叱責したり、仕事を干したりしていた。

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