ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
数字で会社を読む

【新銀行東京】
負の遺産から脱却し
舛添新都政と連携探る「石原銀行」の成算

週刊ダイヤモンド編集部
【第159回】 2014年3月27日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

過去に発生した不良債権という「負の遺産」の処理に追われてきた新銀行東京。業績が回復基調をたどり、新たな都知事が誕生する中で、その存在意義があらためて問われている。

 都民の資金を還元する、地域型トランザクションバンクを設立──。

 石原慎太郎元東京都知事が、2期目の選挙公約で、「東京発の金融改革」を旗印に、そうした壮大な構想をぶち上げ、都民のための銀行を設立してから4月で10年を迎える。

 足元の業績を見ると、5期連続の最終黒字を見込むなど、回復基調に変わりはない(図(1))。しかし、財務諸表からは、過去に発生した不良債権という「負の遺産」を完全には切り離すことができず、依然として耐え忍んでいる現状が垣間見える。

 その苦悩が如実に表れているのが、取引先数の減少だ。

 決算資料によると、2013年末時点の中小企業の取引先数は1873社で、前年同月と比べると207社も減った。

 そもそも、1年間で取引先数が10%も減少するようなことは、他の銀行ではあり得ないことだが、新銀行東京にとっては、その急速な減少分こそが、過去の「スコアリング融資」によって築き上げてしまった負の遺産なのだ。

 スコアリング融資とは、企業の損益計算書や貸借対照表といった財務諸表の数値を基に、その企業の信用リスクを機械的に点数化し、原則無担保・無保証の融資を判断する仕組み。労力がいる審査を大幅に簡素化できるというのが、最大のメリットだ。

 その落とし穴にはまったのが、04年当時の新銀行東京だ。トヨタ自動車や旧長期信用銀行出身者を経営陣に迎え、スコアリング融資を柱とした「マスタープラン」という事業計画を策定したことが、同行の悲劇の始まりだった。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


数字で会社を読む

週刊ダイヤモンドで好評連載中の「数字で会社を読む」。各業界・企業を担当する第一線の記者が、ポイントを絞った財務分析で企業・産業に切り込みます。

「数字で会社を読む」

⇒バックナンバー一覧