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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

2014年春闘の集中回答結果から試算
「2年でCPI前年比2%」には力不足
――森田京平・バークレイズ証券チーフエコノミスト

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]
【第130回】 2014年3月19日
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春闘での賃上げ率
2014年度は2%を上回る可能性

 今月12日、2014年労使交渉(いわゆる春闘)は集中回答日を迎え、自動車、電気、鉄鋼など主要企業の回答が一斉に公表された。報道などによれば、多くの企業においてベースアップ(ベア)の決定や年間一時金(ボーナス)の満額回答を含む労使合意がなされている。

 春闘の最終的な結果は、7月末に厚生労働省から『民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況』として発表される。今回の集中回答日の結果を考慮すると、最終的な春闘賃上げ率は2013年の1.80%から上昇し、2%を超える可能性が高そうだ。仮に2%を超えれば、2001年(2.01%)以来13年ぶりの高い伸び率となる(図表1参照)。

大企業が決断したベースアップ
背景は過去最高となった経常利益

 2012年11月に始まった円高修正とその後の景気回復は、企業の経常利益を過去最高水準に押し上げた(図表2参照)。ただし、そのような状況でさえ固定費の増加につながるベースアップは、企業にとっては重い決断であったと推察される。

 春闘に関する報道において、多くの経営者からは「安倍政権からの賃上げ要請への対応」という声も聞かれた。財務的に体力のある大企業だからこそベースアップが可能であったことが、改めて実感されよう。だからこそ、ベースアップが継続的なものになるという手ごたえは今なお感じられない。

 春闘における最終的な賃上げ率が2%を超えるということは、主要大企業において所定内給与が月額数千円程度増えることを意味する。これによって、相対的に所得水準が高い大企業の雇用者は、4月の消費税率引き上げ(5%→8%)による負担増を部分的にでも軽減できるであろう。

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森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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