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「引きこもり」するオトナたち

40歳代が最多、中高年「引きこもり」層が53%に
島根県調査が浮き彫りにした日本の向かう未来

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第190回】

 これからの日本が、どこに向かおうとしているのか。そんな国の行く末を暗示するような実態調査の結果が注目されている。

 島根県がこの3月に公表した「ひきこもり等に関する実態調査報告書」によると、地域の中で引きこもっている人の年齢は、40歳代が最も多いことがわかった。しかも、引きこもっている人のうち、40歳以上の中高年層の比率は、なんと半数を超えて53%にも上り、本人とその親の年代は、ますます高齢化が進んでいるという現実が明らかになったのだ。

 実態調査を行ったのは、島根県の健康福祉総務課だ。調査は昨年11月、県内の担当地区を持つ民生委員と児童委員にアンケートをとる方法で行われ、1632人から回答を得た。回収率は、81.2%だった。

山形、東京に次いで3例目
島根県が初めて行った実態調査

 「昨年、山形県が行った調査結果を見たら、引きこもる人の中高年の割合が、半数近くを占めていることを知りました。40代、50代の方は、引きこもり状態にあっても放置されていることが多く、生活保護予備軍にもなる。山形県と同じような形で年齢の上限を設けずに調査して、実態を探る必要がありました」

 県の担当者は、そう狙いを語る。

 支援機関などを通じて探る調査に頼ると、どうしても支援に通えなかったり、はじかれてしまったりする、より深刻な中核の当事者層がこぼれ落ちてしまい、把握できる実態も偏りがちだ。

 その点、無作為抽出で選んだ家庭に直接、調査を行ったわけではないものの、地域がよく見えている民生委員らにアンケートを行うことによって、より実勢に近い数を拾うことはできる。

 そういう実勢に近いデータという意味では、東京都、山形県に次いで、島根県の実態調査は都道府県で3番目ということになり、すでに関係各所から様々な反響があるという(一覧表を参照)。

 島根県は、調査に当たり、次のいずれかの該当者を「ひきこもりの状態の方等」と定義している。

<仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6ヵ月以上続けて自宅にひきこもっている状態の方>

<仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流はないが、時々買い物などで外出することがある方>

<無業者や非行など、民生委員・児童委員の皆様からみて心配な方、また、家族等から支援などについて相談があった方>

 いずれも、おおむね15歳から、年齢の上限はない。

 ただし、<重度の障がい、疾病、高齢等で外出を希望してもできない方を除く>としている。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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