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海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線

安価な労働力が魅力のミャンマー市場
製造業企業が直面する現地のリスクとは

杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]
【第16回】 2014年3月20日
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 中国における人件費の上昇と、それに伴う東南アジアへの工場移設が語られ始めて久しい。その移転先の東南アジアにおいても、タイやインドネシア、ベトナムをはじめ、近年賃金水準が急激に上昇し、現地のマネジメント担当者の頭痛の種となっている。

 そのようななかで始まったミャンマーの政治経済改革。安価な労働力がふんだんに存在するミャンマーが、将来の製造業の拠点候補として羨望の目で見られたのはある種の必然だった。

 その後、具体的にミャンマーへの進出の検討が始まるにつれて、現地に潜む多くの課題要因についても、少しずつ理解されるようになった。よく語られた点が、電力問題や、設備の整った工場用地の不足、ロジスティック上の問題、熟練労働者の不足などだ。

 はたして、製造業にとってミャンマーは、どこまで現実的な進出先候補なのだろうか。

2012年の段階では
まだ本格化していないミャンマー進出

 日本企業の進出先として、まずはミャンマーの立ち位置について確認したい。下記は、2012年段階での日系企業の海外進出先一覧だ。アジアのなかでは、中国が依然として他を引き離して1位にあり、2位には進出先として人気が高まっているインドネシア、3位にはタイが入っている。他のアジアの進出先としては、ベトナム、インドがそれに続く。

 ミャンマーはというと、フィリピンと同じく年間6件となっている。ミャンマー以外の、ミャンマーに類似した人件費の安いアジアの国々であるカンボジア、バングラデシュは、それぞれ年間6件、5件と、基本的にはミャンマーと同等の水準だった。

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杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]

すぎた こういち/カリフォルニア大学サンタバーバラ校物理学及び生物学部卒。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)経済学修士課程卒。15年間にわたり複数の外資系投資銀行にて、海外進出戦略立案サポートや、M&Aアドバイザリーをはじめとするコーポレートファイナンス業務に携わる。2000年から2009年まで、UBS証券会社投資銀行本部M&Aアドバイザリーチームに在籍し、数多くのM&A案件においてアドバイザーを務める。また、2009年から2012年まで、米系投資銀行のフーリハン・ローキーにて、在日副代表を務める傍ら東南アジアにおけるM&Aアドバイザリー業務に従事。2012年に、東南アジアでのM&Aアドバイザリー及び業界調査を主要業務とする株式会社アジア戦略アドバイザリーを創業。よりリスク度の高い東南アジア案件において、質の高いアドバイザリーサービスの提供を目指してASEAN各国での案件を遂行中。特に、現地の主要財閥との直接の関係を生かし、日系企業と現地企業間の資本・業務提携をサポートしている。ミャンマーにおいては、大手事業会社、総合商社、金融機関等の進出戦略立案及びその実行サポートに携わる一方で、2012年よりダイヤモンド・オンライン(Diamond Online)にて、3年間にわたり人気コラム『ミャンマー その投資ブームは本物か』『海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線』を連載。


海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線

民主化へ舵を切り、欧米の経済制裁が解除されたことで、世界中の企業の耳目が集まるミャンマー市場。具体的な民主化政策の実行からわずか1年で、会社法や外国投資法など進出する企業にとって重要な法律が施行され、市場として環境が整い始めた。本連載では、企業進出の現場から何が具体的な問題点なのか、またそれを乗り越えるようどのような努力が現在なされているのかについて見ていきたい。「ミャンマー その投資ブームは本物か」に続く、連載第2弾。綿密な現地取材をもとに、ミャンマービジネスの最前線を追う。

「海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線」

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