4月からいよいよ新年度が始まります。新卒にとって入社1年目というのは、信頼に足る人物かどうか値踏みされる重要な時期。ここをうまく乗り切れるかどうかでその後のキャリアは大きく左右されます。今回ご紹介するのは、そんな時期こそ読みたい『入社1年目の教科書』『20代のいま、やっておくべきお金のこと』です。

新卒1年目は
「人物を値踏みされる時期」

今後のキャリアは最初の1年で決まる!<br />新卒社員が今こそ読むべき良書2冊『入社1年目の教科書』2011年5月刊。水色のさわやかな装丁は、フレッシュな印象を与えます。

『入社1年目の教科書』が出版されたのは2011年春。その後着実に版を重ね、今年3月には発行部数が20万部を超えました。もちろん本書を一読、あるいは熟読したからといって、明日から仕事がバリバリできるようになるわけではないし、専門的なスキルが身に付くわけでもないでしょう。11年春に社会人13年目を迎えた著者の岩瀬大輔氏が随所で主張しているのは、社会人として「入社1年目」に勝る重要な時期はない、ということです。

 新卒入社や転職初年度の社員に対して、受け入れ側が最初に持つのは、優秀な人物かどうかという視点ではありません。
「社会人として当たり前のことを、ちゃんとやれる人物か」
 人物を値踏みする目が注がれていることを強く意識してください。最初が肝心です。新人時代の印象でその後のキャリアが決まると思って行動してください。(21ページ)

 繰り返しますが、社会人としての「勝負どころ」は初回です。
 入社1年目、転職1年目、異動による着任初日など、最初に訪れる機会です。
 ……人間が抱くすべての印象は、初めての機会で形成されます。そして、それを覆すのは至難の業です。逆に考えると、最初に良い印象を与えられれば、次の仕事の依頼は難なく回ってきます。そこで良い仕事をすれば、さらにダイナミックな仕事を任せてもらえる機会が訪れ、その人は急速に成長していくのです。(229~230ページ)