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岸博幸のクリエイティブ国富論

マイルドヤンキー・ブームへの違和感

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第261回】 2014年4月11日
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「マイルドヤンキー」という流行

 最近、“マイルドヤンキー”という言葉が流行しています。『ヤンキー経済』(原田曜平:幻冬舎新書)がきっかけと思われますが、この言葉の流行にはどうも違和感を抱かざるを得ません。

 同書で、また他の識者も主張しているのは、東京などの都会で上を目指して頑張っている若者は、実は若者全体からみたら一部でしかなく、圧倒的多くの地方に住む若者はマイルドヤンキー化しているというものです。このマイルドヤンキーの特徴としては、

・ 低学歴で低収入
・ 上昇志向が低く保守的
・ 地方都市や郊外に在住し、生まれ育った地元志向が強い
・ 内向的で、小中学時代からの友人たちとのつながりを重視
・ 遠出を嫌い、生活も遊びも地元のショッピングモールなどで低コストに完結
・ 半径5キロのよく知っている世界でゆったりと生きたい
・ いわゆるパラサイト(親との同居、親の車の利用)の割合が高い
・ IT/ネットへの関心やスキルが低い

 といった点が挙げられています。

 要は、地方に住むマイルドヤンキーは、産まれてから右肩下がりの経済しか知らないので、昔のヤンキーと違って成り上がりや大逆転はないという諦めの下で、仕事や収入については現状維持で満足しており、それよりも家族愛や友情を重んじ、家族や昔からの友人と地元で楽しく過ごす今の日常が長く続くことを願っている、ということのようです。

 こうした若者のマイルドヤンキー化は、日本の若者の多くを占める地方の若者の生活実態を認識することが新たな市場とビジネスにつながる、というマーケティングの観点から語られることが多く、だからこそ流行語となりつつあるのでしょう。

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岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


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