斎藤顕一の営業プロフェッショナル養成講座
【第11回】 2014年4月30日
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斎藤顕一  [ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授、同大学院経営学研究科教授]

営業部門とマーケティング部門との対立: 
関係を改善して販売効率を高める方法 [本質的問題解決Q&A]

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営業とマーケティングが犬猿の仲というのは、よく聞く話です。今回の質問は、営業を支援するはずのマーケティングが機能しないばかりか、予算の奪い合いや戦略立案などで両者が対立する状況を解決したいという課題です。はたして、両者が「売上増」という本来の目標に向かって協力し合うことは可能なのでしょうか?


Question


消費財メーカーで営業経験を積み、1年前に大手メーカーに転職しました。前は企業規模が小さくマーケティング部門がなかったので、経営者や代理店と共に営業部門がマーケティング戦略を練りマーケティングは営業と同義でしたが、転職先はマーケティング部門が営業支援する体制です。ところが、予算(特に販売費)の奪い合いや販売価格での衝突、また既存顧客や潜在顧客の扱い方に対する温度差など、営業戦略に関する決定事項でことごとく対立し、それが理由で販売不振に陥ることも珍しくありません。あまりに問題が多いのですが、関係を改善し販売効率を上げるにはどうすればいいのでしょうか?
(質問者:消費財、男性、営業部門マネジャー、35歳)

営業とマーケティングが犬猿の仲というのは、よく聞く話です。今回の質問は、本来営業を支援するはずのマーケティングが機能しないばかりか、予算の奪い合いや戦略立案などでことごとく両者が対立する状況を解決したいという課題です。はたして、両者が本来の「売上増」という目標に向かって協力し合うことは可能なのでしょうか?


Answer


 「えっ、なんやこれは! こんなもの売れるわけがない」「こんな高値のものをどのように売れというのか?」というのが営業部門からの反応だとすると、「売る力のない営業に限って新製品に文句を言ってくる」「営業は売る方法も考えないで、否定的なことばかり並べ立てる」というのがマーケティング部門の言い分、という状況のようですね。

 なぜこんなことが起こるのでしょうか?

営業とマーケティングは犬猿の仲?

 まず、両部門それぞれの立場について考えてみましょう。

 営業は目標達成のプレッシャーの渦中で、現場を知る立場での直感的な印象を述べている。それに対してマーケティングは、既存製品の売上目標を達成できない可能性が出てきた場合に、原因を調べ解決するための新しい提案を行ったり、ターゲット顧客のニーズを調べて開発商品の概要を決定したりするわけです。

 中でも、マーケティングからの新しい提案は、売上増につなげる施策として 考えられたものであり、これを打ち出した途端、既存製品の販売に一生懸命な営業とは当然 “すれ違い”が起こります。つまり両者は、それぞれが最高の仕事をしようと考えれば考えるほど、対立が深まる宿命を負っているのです。

 質問者が言うような、マーケティングの機能部門を持たなない企業では、営業部門が企画やマーケティング機能も担います。それは、小規模の組織だから可能なのでしょうか。そこで、そもそも営業とマーケティングとは、まったく異なる機能なのかという疑問が出てきます。ここでもう一度、それぞれの役割を考えてみましょう。

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斎藤顕一 [株式会社フォアサイト・アンド・カンパニー代表取締役]
[ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授、同大学院経営学研究科教授]

マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社、パートナー、大阪支社副支社長を務め、1996年にフォアサイト・アンド・カンパニーを創業、現在に至る。経営コンサルティングに加えて問題解決のスキル研修を数多く手がけ、企業の業績向上に大きな成果を上げてきた。大前研一氏が学長を務めるビジネス・ブレークスルー大学において、経営学部および大学院経営学研究科教授。これまでBBTオープンカレッジ、学部、大学院の生徒や企業研修の生徒を合わせて、2万人以上の人たちに問題解決の考え方や実践の仕方、また成果実現の方法を教える。大前研一氏との共著に『実戦! 問題解決法』(小学館)、『大前研一と考える「営業」学』(ダイヤモンド社)がある。単著に『[新版]問題解決の実学』(ダイヤモンド社)がある。

 


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「営業の達人」のスキルは努力の賜物であり一朝一夕に身につくものではありません。でも実は、日々の営業活動のなかに、これを習得する近道があります。困っていること、わからないこと、迷っていること等々は「営業目標を達成するために最も重要な成功の鍵」です。これらの問題を「発見」し、「解決」することで、営業プロフェッショナルとしてのスキルが培われます。

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